ニュールックなど、1950年代のファッション
自由に憧れていた1950年代、そのファッションはどんな感じですか?
1950年代のファッションは、以下のものが流行りました。
- ニュールック:豊かさへの憧れを象徴するデザイン。
- 太陽族:若者たちの自由奔放な精神を象徴するファッション。
1950年代を知ることで、ファッションをもっと自由に楽しめます。
ニュールックなど、1950年代のファッション
1950年代は、新しい価値観や自由に対して、憧れを持っていた時代でした。
そして1950年代のファッションは、まさに社会の変化と女性の解放を映し出す鏡のような存在でした。
そんな時代のファッションについて、ご紹介したいと思います。
裾の広がったスカート姿、ニュールック
消費文化が一挙に花開いた1950年代、戦争の傷痕が癒え始めた頃です。
この1950年代では、アメリカン・スタイルがブームになりました。
特に女性ファッションは、クリスチャン・ディオール氏が1947年にパリで発表した「ニュールック」によって、大きな変革を遂げます。
ニュールックとは、布をふんだんに使ったスカートのデザインのことです。
以下のような女性らしいスタイルが特徴です。
- 丸みを帯びた肩と胸
- 細く絞ったウエスト
- 裾を広げたフレアスカート
このスタイルは、肩のラインを自然に見せつつ、ウエストを細くして、裾を広げたフレアスカートで、女性の曲線美を強調しました。
これは、戦時中の厳しい制約からの解放と、豊かさへの憧れを象徴するデザインと言えます。
ニュールックは、ただのファッションスタイルに留まりませんでした。
女性が、社会においてより活動的な役割を果たすことを促す象徴ともなりました。
細く絞られたウエストラインは、女性が自身の体型を誇りに思い、自信を持って表現することの重要性を示しています。
また、裾が広がるスカートは、動きやすさを考慮した実用的なデザインです。
そして、エレガントさを失わないバランスの取れた造形美を、実現しています。
日本でも、裾の広がったスカートが流行りました
このニュールックが、1950年代にファッションの流れを広めました。
そして華やかな服が、その後も次々と創り出されて行くきっかけとなりました。
1950年代の始めは、日本でも、裾の広がったスカート姿の女性が街を彩りました。
当時アメリカ経由のスタイルだったため、日本ではアメリカン・スタイルと言われていました。
しかしその原型は、世界的に流行したニュールックでした。
スポーツ刈りの前髪を垂らす、太陽族
一方、1950年代のメンズファッションは、太陽族になります。
1956年に芥川賞を受賞した石原慎太郎 氏の小説「太陽の季節」は、戦後の不道徳と言われていた若者の姿が、描かれています。
小説と同名の映画「太陽の季節」は、若者文化の象徴的な存在でした。
この映画は、自由と反逆の精神を体現する「太陽族」と呼ばれる若者たちを、描いています。
そんな彼らのライフスタイルを描き出し、多くの若者に影響を与えました。
その結果、映画に登場する人物たちのファッションスタイルを、多くの若者たちが真似しました。
そんな彼らのことを、太陽族と呼ぶようになります。
太陽族の特徴は、石原慎太郎の名前を冠した「慎太郎刈り」というヘアスタイルでした。
このヘアスタイルは、スポーツ刈りの前髪を、額に垂らしておくスタイルです。
服装は、以下のような感じになります。
- 細身のマンボズボン
- アロハシャツ
- ツートンカラーの靴
- サングラス
彼らは、従来の堅苦しい服装を捨てて、リラックスしたスタイルを好みました。
これらのファッションアイテムは、当時の若者たちの自由奔放な精神と、新しい時代への適応を象徴していた、と言えます。
音楽のマンボから影響を受けた、マンボズボン
その後、ロカビリー・ファッションでも流行ったマンボズボンは、社会現象になりました。
1950年代に流行したマンボズボンは、その名の通り、ラテン音楽のマンボから影響を受けたファッションアイテムでした。
当時のマンボのバンドマンがよく着用していたため、その名前がつきました。
この時代のマンボズボンは、腰回りから太ももにかけてゆったりとしています。
そして、裾に向かって細くなるというデザインが特徴です。
現代のファッションにおいては、このスタイルはサルエルパンツやカプリパンツに、類似しています。
これら現代のパンツも、上部がゆったりしていて、裾に向かって細くなるデザインを採用していることが多いです。
マンボズボンのような強い個性と時代を象徴するファッションアイテムは、現代でも、その独特な魅力を持っています。
なので、レトロなスタイルとして、再評価されることもあります。
自由や新時代への憧れを反映した、1950年代のファッション
ニュールックや太陽族は、今までの古い価値観を捨てて、自由を象徴する若者の間で流行ったファッションです。
つまり1950年代は
- 新しい時代への期待
- 豊かさへの憧れ
これらがファッションに深く反映された時代だった、と言えます。
また1950年代では、映画が娯楽の中心でした。
ヒット映画に登場したファッションが、流行する時代でした。
映画が、ファッションリーダーの存在である中で、1953年の邦画「君の名は」からは、「真知子巻き」が生まれました。
1954年のローマの休日からは、ヘップバーン・カットと呼ばれたヘアスタイルが、流行となりました。
再び現代に登場してくる?1950年代に流行ったファッション
現代のオシャレや流行は、たびたび繰り返されています。
昔に流行ったものが、違った形で登場しています。
なので、日本の1950年代に流行った服装がスタイルを変えて、再び現代に登場してくるかもしれません。
それは、どんなファッションになるでしょうか?
ちょっと楽しみでもあります。