強い「かゆみ」があるアトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは、アレルギー反応と関連がある皮膚の炎症です。慢性の皮膚の病気であり、長く続く湿疹(しっしん)です。そして、「かゆみ」が生じる慢性の皮膚疾患と言えます。皮膚炎の蕁麻疹(じんましん)、アトピー型気管支喘息、アレルギー性鼻炎などを起こしやすいです。

このアトピー性皮膚炎は、アレルギー体質に外部刺激が加わって起こるもの、と言われています。症状を緩和するためには、自分の周りから外部刺激の原因となる物を除去します。
アレルゲン(抗原)となる「カビやダニ、ホコリや汚染大気、ペット」などを、生活環境から取り除きます。そうすることによって、皮膚炎を起こさないようにできます。

ちなみにアトピーという言葉は、ギリシャ語のアトポスから由来しています。 アトポスは、「奇妙な」「原因不明の」という意味です。

特徴

  • アトピー性皮膚炎の症状は、幼児期に多く現れます。
  • 繰り返し「かゆみ」を伴う発疹が、現れます。
  • 「顔」や「首」、「肘」や「膝のくぼみ」に発疹が現れやすいです。その発疹が、全身に広がることもあります。
  • 赤くなった皮膚をなぞると、後が白くなります。
  • 強い「かゆみ」を伴います。表面が乾燥して、白い粉を吹いたようになります。
  • アレルギー性鼻炎、アトピー型気管支喘息、皮膚炎の蕁麻疹などにかかりやすい、と言われています。
  • 遺伝的な要素も関係している、とされています。

合併症を起こしうる疾患

アトピー性皮膚炎は、合併症の可能性がある疾患です。主な合併症には、皮膚疾患や感染症、眼科疾患が挙げられます。

ここで言う皮膚疾患とは、アトピーとは別の皮膚疾患を併発する事を言います。例えば黄色ブドウ球菌などによって、皮膚が化膿するケースがあるようです。ヘルペスも併発する事があります。肌がアレルギー反応を起こしやすい状態になっているためでしょう。

眼科疾患については、白内障、網膜はく離の合併症が起きる事例があります。

これらの合併症は、すぐに命の危険がある疾患ではありません。ですが適切に治療しないと、大変な事になってしまうかもしれません。合併症が起きてしまう前に、適切な治療が必要です。
一般的に合併症と言えば、やはり危険というイメージがあります。実は合併症は、人の死因の多くを占めています。大病と呼ばれる病気では、危険な合併症が多いです。

アトピー性皮膚炎の発症

アトピー性皮膚炎は、5歳までに患者の約80%が発症するそうです。そして学童期に、自然治癒することが多いとされています。しかし近年では、成人してから発症するという例が増加しています。

その他、赤ちゃんにおいては、衣類を合成洗剤・柔軟剤で洗うことで、オムツかぶれ・アトピー性皮膚炎になるという問題も報告されています。

アトピー性皮膚炎が発症する原因については、不明とされています(2010年当時)。何が要因となっているのか、よくわかっていないという状況です。原因がわからないので、その治療方法も確立されていない現状です。

ただし何もかもわかっていない、という訳ではありません。

アレルギーが大きく関係している事は間違いない、とされています。

「即時性のアレルギー」と「遅延性のアレルギー」の両方が影響しているという考え方が、近年支持されているようです。

診断のガイドライン

アトピー性皮膚炎の診断には、今までの経過や皮膚の症状、家族歴の確認、血液検査などがあります。

現代医療では、アトピー性皮膚炎であると診断するためにガイドラインを設けています。

専門医このガイドラインに従って、適切に診断が行なわれて治療の計画を立てていきます。このガイドラインによって診断する事で、人為的な診断ミスを防いでいます。

アトピーはアレルギーの一種です。なので「その診断」は、主にアレルギー反応を検査する事になります。
アレルギーの要素がある湿疹・かゆみの症状、遺伝要素という多くの観点から診断を行ないます。

なお、ガイドラインがあるからといって、自己判断でアトピーと決めつける事は、やめましょう。ご自身の皮膚炎を、専門医に診てもらうようにしてください。

血液検査

アトピー性皮膚炎の検査には、いくつかの種類があります。それらの検査の中で、一般的な検査方法と言えば血液検査でしょう。

この血液検査では、IgE・RAST検査法で調べる事になります。ちなみにIgEとはタンパク質の一種であり、アレルギー抗体の一種です。IgE値を検査する事によって、アトピー性皮膚炎であるかどうかという事を診断できます。

食物除去試験

その他の検査には、食物除去試験という検査があります。この検査では、アレルゲン物質があると疑われる食べ物を取らないように生活します。

様々な食べ物について検査してゆく中でアレルゲン物質を含む食べ物の検討がついたら、今度は「その物質を含む食べ物」をわずかな量だけ食べます。そして、アトピーが起きるか検査します。

食物除去試験は、アレルゲン物質を特定するのに時間が掛かる検査と言えます。ですが検査の中では、一番安全と言えます。

アトピー性皮膚炎の症状

以下に主な症状について、ご紹介したいと思います。
※アトピーについて医学的に正しい事を知りたい方は、専門医に相談してください

湿疹

湿疹が治ったり、ひどくなったりを繰り返します。
額、目、口の「周りの部分」に、湿疹が左右対称に出るという特徴があります。

発症の時期

患者の約8割は5歳までの乳幼児に発症する、と言われています(乳幼児:赤ちゃんと、小学校に入学する前の子供のこと)。
大人になってから、発症したり再発したりすることがあります。

強いストレスとなる「かゆみ」

発症中、非常に強い「かゆみ」を伴います。血が出るくらい、かいてしまいます。「かゆみ」がひどくて、眠れないこともあります。
アトピーの最も怖い点は、完全に「かゆみ」を抑えられない点です。塗り薬などを使っても、「かゆみ」を抑える事はできないです(2010年当時)。

「かゆみ」によるストレスについては、子供の場合は特にストレスが顕著です。

アトピー性皮膚炎になってしまった子供は、眠る事ができず、泣きながら皮膚をかきむしります。そして皮膚中、傷だらけになって、「破傷風などの恐れ」が出てきます。
皮膚炎

皮膚炎のイメージ画像

以上のことからも、「かゆみ」は「とても軽視できない症状」と言えます。「かゆみ」の程度によっては、深刻に考える必要があります。

この「かゆみ」のため、子供は肌をかきむしってしまいます。血が流れ出て、見た目にもかなりツラい事になります。継続して肌をかきむしる事は、感染症などの新たな病気に繋がります。かなり厄介な事と言えます。

アトピー性皮膚炎については、年齢を重ねることで改善されることが多い、と言われています。ですが、やはり専門的な治療を受けることが大切です。