高画質な記録メディア・ブルーレイディスク

ブルーレイディスクの誕生

ブルーレイディスク

1991年、ソニーは高画質映像時代に対応するため、大容量の次世代光ディスクの研究を始めました。その結果、ブルーレイディスクが誕生しました。

ブルーレイディスクでは、25GBから50GBという大容量が可能になりました。よって、ハイビジョン映像などの高画質な映像を、記録できるようになりました。

それ以前の記録メディアでは、ブルーレイディスクと同じくらいの高画質で記録できませんでした。同様にインタラクティブ機能も、そんなに高くありませんでした。

「身の回り」の映像は、高画質になってゆくと予想されています。例えば、ハイビジョンのビデオカメラが登場したことで、より簡単にハイビジョン画質で撮影できるようになりました。そしてブルーレイディスクなら、そのままの高画質でハイビジョン映像を保存できます。

日常において、ブルーレイディスクという大容量の記録メディアが、普通に使われている日が来ています。

CDから始まったディスクメディア

ディスクメディアの誕生はCDの登場から始まった、と言えます。
1980年代の初めに、CDが登場しました。CDは音声やデータを記録するのに、とても便利なメディアでした。CDというディスクメディアは、それ以前の記録メディアと比べて、データを保存したり検索したりする機能に優れていました。

1990年代になると、さらに大きな記録容量のメディアが必要となりました。そこで、DVD規格が誕生しました。その記録容量は、CDの5倍から10倍もありました。
DVDの登場によって、ディスクメディアの記録容量が増加しました。なので、さらに高画質な映像を記録できるようになりました。大容量なデータについても、取り扱うことが可能になりました。

以上のような「記憶容量の増大という流れ」は、ブルーレイディスクの誕生に繋がります。

地デジ時代のブルーレイ

ブルーレイディスクとは、次世代ディスクとしてDVDの代わりになる光記録ディスクです。

2011年以降、地上デジタル放送の開始によって、日本のテレビ放送は全面的にデジタル化されました。高画質で優れた機能のハイビジョン放送が、始まりました。
それに伴って、臨場感あふれる高精細映像を存分に楽しめるハイビジョンテレビや、ハイビジョン対応の様々な映像機器が、次々と登場しました。

なお、地上デジタル放送の開始以前から、すでにDVDプレーヤーが、かなり普及していました。そして録画機能が付いたDVDレコーダーも、普及していました。

しかしDVDでは、高画質のままでハイビジョンの番組を保存できません。DVDにハイビジョンの番組を記録するためには、標準画質に変換してから記録することになります。
なぜなら従来のDVD規格では、ハイビジョンの映像を「そのままの画質」で記録できないからです。

もし、ハイビジョン映像をDVDに記録できても、DVDの容量では、最大でも30分くらいしか録画できません。地上デジタル放送の時代では、DVDとは違う、容量が「さらに大きい記録ディスク」が必要になりました。

地上デジタル放送が始まり、デジタルハイビジョン放送が普段の生活の中で一般的になってきました。ハイビジョンテレビでは、以前よりも臨場感あふれる高画質な映像を楽しめます。

映像の高画質化が進み、インタラクティブ機能も求められていくというエンターテインメントが進んでいくと、より一層のデータの大容量化が必要となります。
ブルーレイディスクはハイビジョン映像を始め、これからの映像を取り巻く環境に対応するために登場しました。

ブルーレイディスクの特徴

ブルーレイディスクは、DVDやCDと同じ直径12cmのディスクです。「同じ大きさ」ですが、その容量はDVDの約5倍という大容量のディスクです。ブルーレイディスクなら、記録容量で困ることは「ほとんどない」でしょう。

大容量なので、ハイビジョン画質で映画を鑑賞できます。1枚のディスクに映画を収録できるので、自宅で臨場感あふれる映像を楽しめます。
また、圧縮方式を採用した場合では、7時間以上のハイビジョン映像を収録できたりするということです。

ブルーレイディスクでは、インターネットと接続したり、インタラクティブ機能を使えたりします。従来では体験できなかった「映像の楽しさ」を、実現しています。

記憶容量を増やした青紫色レーザー

ブルーレイディスクはDVDと比べて、多くのデータを記録できます。なぜかと言うと、ブルーレイディスクとDVDではレーザー光線が違うからです。ブルーレイディスクは、DVDよりも波長が短いレーザーを使うことで、高密度にデータを記録できるようになりました。

光は、赤色から紫色に向かうほど、波長が短くなります。DVDでは「赤色レーザー」という波長650nmのものが、使用されています。
それに対してブルーレイディスクでは、「青紫色レーザー」という波長405nmのものが使用されています。この「青紫色レーザー」を使うことで、ビームスポットの微小化を実現しました。

それに加えて、集束能力が優れている対物レンズを使用しています。それらを組み合わせることで、光の焦点を非常に小さく絞っています。
その結果として、ブルーレイディスクはDVDに比べて、約5倍くらいの容量を記録できるようになりました(2層式ブルーレイディスクの場合は、1層式のDVDの10枚分くらいのデータを記録できるようになりました)。

画像圧縮技術

ブルーレイディスクが登場したことで、大容量化が実現されました。それにより、これまでのDVD映像では実現できなかったことが可能になりました。

映像においては、これまでDVDで使われていた画像圧縮技術「MPEG-3」というエンコードに加えて、「MPEG-4 AVC High Profile」が使えるようになりました。
この技術はブルーレイディスクが登場した当時、放送業界や携帯端末などで今後主流になる、と言われていました。映画の本来の画質を1枚のディスクに収録できる、と言われました。映画フィルムの画質にかなり近い情報量を、1枚のディスクに収録できる技術と言えます。

容量の単位「GB」

ブルーレイディスクではDVDと同様に、その容量を「GB」を使って表しています。この「GB」の数字が大きいほど、「長い時間」録画できます

しかし「GB」の数字から、どれだけの時間を録画できるのか、イメージしにくいと思います。以前では、録画用のDVDの中には、録画できる時間を表示している物がありました。例を挙げると、「120分当たりのディスク容量は4.7GB」と表示していました(標準画質で録画する場合)。
ちなみに一昔前のVHSテープの場合では、「60分テープ」や「90分テープ」と表示されていました。この言い方のほうが、録画時間がわかりやすかったと思います。

なお、録画時間は録画モードによって、長くなったり短くなったりします。正確な録画時間を知りたい場合は、ディスクパッケージの裏面や取扱説明書を確認してください。

ブルーレイディスクの種類

ブルーレイディスクには、以下のような種類があります。

  • BD-ROM:再生専用です。
    市販の映画ソフトなどで、使われています。
  • BD-R:一度だけ、データを記録できます。
    これは容量が一杯になるまで、録画できます。ただし書き換え不可であり、録画した内容を消去したり、上書きしたりできません。
  • BD-RE:データを書き換えできます。
    これは書き換え可のディスクで、何度でも上書き録画できます。

ブルーレイディスクには、DVDと同じように「片面1層タイプ」と「片面2層タイプ」という種類があります。「1層タイプ」は、書き込める層が一つあります。「2層タイプ」は、書き込める層が二つあります

各タイプのブルーレイディスク容量は、「1層では25GB」「2層では50GB」になります。

ちなみにDVDでは、1層式の場合は4.5GBです。これと比べると、ブルーレイディスクでは5倍以上の容量があることになります。この容量が大きい点は、ブルーレイディスクの魅力の一つとなっています。

※ブルーレイディスクの特徴や種類については、最新の商品説明文で確認してください。

低価格化を期待できるブルーレイ関連商品

ブルーレイディスクはDVDと比べて高性能なので、製造する際に複雑な工程で作られています。しかし出来る限りコストを抑えるため、その工程の改善が行なわれています。このような改善努力が実れば、徐々に低価格になっていくでしょう。

そしてブルーレイ機器についても、日々安くなっているようです。つまり消費者にとっては、ブルーレイの関連商品を買いやすくなっていると言えます。
今後のブルーレイの動向に期待を込めて、引き続き注目してゆきたいと思います。