大損を防ぐ、FX取引のリスク管理
稼ぐはずが、損をしたFX取引
何かと世知辛い世の中、給料だけでは足りないと実感している方が多いでしょう。そんな中、金融投資に関心が集まっていると聞きます。給料だけでなくて投資によって稼げたら、確かに毎日の生活が楽しくなりそうです。
ところで金融投資には、実に様々な商品があります。そんなたくさんある中で、近年人気がある投資の一つに、外貨の取引を行なうFX取引があります。うまくやれば、個人投資家でも結構な金額を稼げるなんて言われています。
だけど残念なことに、FX取引を上手に行なえず、儲けるどころか損をしてしまった方も多いと聞きます。
FXで損をした体験談
私は、ここ6年間くらいに渡って、FX取引を行なってきました。今一度振り返ってみると、上手くいった事よりも失敗してしまった事のほうが多かったです。資産の「運用技術」や「心構え」は、まだまだ未熟でした。なので、失敗が多かったのは当然の結果かもしれません。
FX取引での失敗と言ったら、やはり損失を出してしまった事を意味すると思います。残念な事ですが、耐えられない金額の損をしてしまった事がありました。
今でも思い出してがっかりした気分になるのは、2008年のリーマンショックです。
サラリーマンの月給で例えて言えば、3か月分から4か月分ほどの金額を一気に損したと言えます。今でも思い出すたびに、失った「お金」が返ってきてほしいと思ったりします……。
なお、念のために言っておくと、FX取引では損切りする事で、損失を自分なりにコントロールできます。例えば含み損が10万円を超えたらポジションを決済して取引をやめる、という事ができます。
ですが当時の私は、「損切り」ができませんでした。
「そのうち元に戻るはず、しばらく我慢すれば含み損はなくなるはず」。
そのように自分に言い聞かせていました。
その結果、含み損は限界を超えて、強制的に決済(強制ロスカット)となりました。一瞬にして、大金を失ったのでした。
このような投資で失敗した体験は、ツラい思い出として今でも忘れる事ができません。ですが、その後の投資行動に役立っている気がします。
あの時の失敗を教訓にして、身の丈に合った投資を行なえるようになりました。近年では、毎月1回だけ売買するという、積立のような取引をしています。
ロスカットに関する注意
なお、ロスカットについて以前教えてもらったことの一つに、業者によるロスカットは保証されるものではない、ということです。
為替相場の暴騰暴落が激しすぎたり、FX業者にアクシデントが起きたりした場合、強制ロスカットの実施が遅れることもあるそうです。遅れた場合では、自己資金以上の損失を背負うことになります。
FX取引を行なう投資家は、このような想定外のロスカットに注意しておく必要があります。
FX取引のリスク管理
FXは、元本保証型の金融商品ではありません。損失を出すリスクがあります。
FX取引には、「マージンコール」と「ロスカット」という「リスクを管理する手続き」が存在します。
マージンコール
マージンコールについては、例えば保証金の50%を超える損金が出た時に、その時点で決済する、または追加の保証金を求めるという制度です。
例えば10万円の証拠金で取引をしている場合、1ドル105円(105万円)で買ったドルが100円(100万円)に下がった場合、含み損は5万円です。この5万円は、証拠金の50%です。
この場合、FX業者は投資家に対して、
- 持っているドルを売って決済して損益を確定させるか、
- または証拠金を追加するか、
どちらかを求めます。
例えば証拠金を10万円追加したら、含み損の比率を25%に下げることができます。
レバレッジの比率が高いほど、わずかな相場変動でマージンコールが掛かる仕組みになっています。FX取引では、注意が必要です。
ロスカット
ロスカットは、日本語で「損切り」と言われています。
ロスカットの例としては、含み損の比率が証拠金の70%から80%になると、持っている通貨の一部や全部を決済してしまうことです。※FX業者によって、証拠金のパーセントは異なります。
ロスカットは、マージンコールと似ている点があります。その「大きな違い」は、ロスカットは強制的に決済させられる点です。マージンコールでは「証拠金の上積み」で、決済されるのを解除できます。
マージンコールもロスカットも、損失が出た場合、その損失を証拠金以内の最小限に抑えるための安全対策と言えます。
もしもFX取引で大きな損失を出しても、実際の損失額は、多くの場合で証拠金の範囲内で収まるでしょう。
ロスカットを防ぐための両建て
たぶん上級者向けの取引方法になりますが、「買い」と「売り」の取引を同時に行なう「両建て」という方法があります。
「両建て」という取引は、為替レートが急変した際、リスクヘッジになると言われています。ですが、反対意見が多数見られる方法とも言えます。ポジション管理が複雑になったり、片張り取引よりも「さらに損をしたり」など、ちょっと難しい取引方法かもしれません。初心者の方は、「両建て」をやらないほうが良いでしょう。
ただし株式取引などで「両建て」を上手に用いて、実際に稼いだ方はたくさんいると聞きます。なのでFX取引においても、適材適所で「両建て」を行なうと、日本円のレート急変のリスクヘッジを行ないつつ、稼げるかもしれません。
リスク管理の心掛け
近年、資産運用の手段として外国為替取引に注目が集まっていると聞きます。これはFX取引とも言われており、資産運用に関心のある方なら、一度は聞いた事のある呼び名だと思います。
FX取引は、運用次第で高い利益を得られると評判です。ですが思うように取引できず、苦労している投資家も多いと聞きます。
また、競争相手には欧米の百戦練磨の投資家たちがいるので、時には彼らと激しく競い合う場面もあるでしょう。
感情的に損切りできない恐ろしさ
実際に大きな利益を出せるFX取引ですが、損失が出た場合には、あっという間に大損してしまうこともあります。この点が、「FX取引の怖さ」と言えます。
そしてレバレッジを高くすると、どうしても損切りする場面に遭遇します。でもそんな時、すぐに「損切り」を実行するのは難しいです。損切りすると、損をしてしまうからです。多くの方は損したくないと思い、感情的に損切りするのを「ためらって」しまいます。
大損する可能性があることより、FX取引をよく理解していない人や、リスクを受け入れる覚悟のない人は、FXをやらないほうが良いという意見があります。十分に検討してから、取引を始めるようにしてください。
周りの人に話さない事
あと「わたしFX始めたんだ~」と言いふらさないほうが良いです。私は、つい言いふらしてしまったのですが、その後良い事はあまりなかったです。
金儲けの話は、周りの人に話さないほうが良いです。儲けた時は妬まれる、損した時は馬鹿にされるだけです。
そんな私からのアドバイスとしては、こっそりと黙ってFX取引を始めると良いです。なお、少人数の信頼できる人には、FX取引をしていると言っても良いでしょう。
他の投資家に嫉妬しない事
そしてもう一つアドバイスすると、「他の人が今、儲けているのを許せないという気持ち」は、とても厄介です。
「投資で稼いでいる他人を妬む気持ち」は、自身の資産運用に悪い影響を与えることが多いからです。
たくさん稼いでいるアイツには負けられない、そんな「つまらないライバル心」で取引すると、だいたい駄目な結果になるでしょう。
なお、尊敬できるライバル投資家がいるなら、ライバル心は良い方向に向かうでしょう。「ひがみ」や「嫉妬」ではなくて、お手本にしたい投資家がいて、その人に少しでも追いつきたい。そんな心掛けなら、日々の売買で利益を出せる可能性があると思います。
人格と関係なし
FXや株などの投資は、善人であるほど稼げるという意見が聞かれます。しかし現実には、「性格の良し悪し」と「投資で稼げること」には関係はないようです。
投資の世界はかなり現実的であり、人でなしの極悪人でも稼げたりします。いい人だから「お金」を稼げるという考えは、全く通じないと言えます。
私事の恥ずかしい体験を言うと、「投資でたくさん稼いだら寄付をしよう」と善人ぶっていたところ、大損しました。将来寄付しようと思っていても、投資の世界では「だから何?」ということになります。
取引所に「お金」を預けたと考える事
最後にFX取引で損をした場合、無理矢理に自分を慰める方法をご紹介したいと思います。
損をした「お金」は、いったん取引所に預けたと考えてみましょう。
実際のところ、自分の「お金」を奪われた訳ですが、銀行の預金みたいに「預けた」と無理矢理考えます。わずかかもしれませんが頭を冷やすことができて、その後冷静になれるかもしれません。