本が好きな人に向いている仕事「せどり」

「せどり」とは

せどり

「せどり」とは、「背取り」や「競取り」と書きます。古本屋から本や雑誌を安く買って転売することです。
本の背表紙を見ながら選んで買うことから、「背取り」と呼ばれているそうです。

低価格で買い取られた本や雑誌は、他の古本屋の購入者に売られたり、インターネットオークションやAmazonなどのネットショップに出品されます。
もちろんオークションやネット販売では、「せどり」した際の購入価格よりも高い価格が設定されています。その差額を利益として得ることになります。

ただし、高く値付けした価格で本が売れるかどうかは、本の価値を見極める目が必要です。
というのも、せっかく本を「せどり」で買っても、その後思ったような値段で売れなかったり、売れ残ったりするからです。

本の「せどり」、典型的な「やり方」

本の「せどり」の代表的な方法は、古本屋チェーンの店で本を買うことです。
そんな古本屋には、本の100円コーナーがあったりします。本のワゴンセールみたいなものです。この100円コーナーで買った本を、例えば5倍以上の500円で転売します。

「せどり」の対象になる本は、小説や雑誌などの書籍全般が対象となります。
一般的に人気がある本は、ベストセラーになった本や、本の売り上げランキングで上位に入った本です。

しかし人気のある本は発行部数が多いので、長期に渡って大量に販売されます。
そのような本は、一時的に高値で取引されますが、一定の水準を超えることがないため、期待したほどの利益は得られないかもしれません。
つまり、高値で転売できる本を見極めるには、ある程度の経験が必要なのです。

本の販売価格を確認すること

「せどり」で高値で売れる本を見つけるには、どうしたら良いでしょうか。
もしも安い価格でしか売れない本を仕入れた場合、転売時に利益を得るのが難しいです。

本の販売価格を簡単に調べたい場合、スマートフォンを使って販売先での価格を確認しましょう。
例えばAmazonなどで販売する場合、スマホでAmazonサイトを表示して、現在の販売価格を確認できます。この場合、書籍のISBNコードを入力すれば、価格が表示されます。

スマートフォン端末は持ち運べるので、古本屋で本を探している時でも簡単に販売価格を確認できるでしょう。
「せどり」の本について販売価格を調べるように心がけていると、たまに、購入価格に比べて信じられないほどの高値で売れる「高額書籍」が、見つかったりします。

特に、マニアに人気のある本や希少価値の高い本は、高値で売れる可能性が高いです。書籍の転売者の中には、マニアックな分野に精通している人も多いと聞きます。

「せどり」のメリット

稼げると言われている仕事

「せどり」のメリットは、他の仕事やアフィリエイトに比べて、すぐに「お金」を稼げることです。
簡単にできて、すぐに現金収入を得ることができます。

昔からある内職、例えば「自宅で行なうシール貼り」の仕事でも現金収入はあります。だけど月に3万円稼ごうと思ったら、たくさん働かないといけません。

「せどり」の場合、従来の内職よりも短期間で多くの「お金」を稼げる可能性があります。月に3万円から5万円くらいなら、たぶん稼げると言われています。
「せどり」に本気で取り組む人の中には、1ヶ月で数十万円を稼ぐ人もいるそうです。

「せどり」では、本やCDなどの高額商品を見極めるために、常にリサーチをしたり、リストを作ったりと面倒な作業もあります。だけど商品のことを知れば知るほど「仕入れ」がしやすくなり、売上にもつながります。

確立された市場があること

「せどり」をするには、「商品を仕入れる場所」と「売る場所」が必要です。それらの場所は、すでに確立されています。古本屋、フリーマーケット、オークションサイトやアマゾンなど、すでに市場があると言えます。
自分で「せどり」に関する市場を作る必要はありません。よって、誰でも簡単に始められるのが大きなメリットだと言えます。

通常、個人でビジネスを始めると、広告を出したり、集客のための努力が必要になります。「せどり」の場合は、それも必要ありません。
オークションサイトやアマゾンなどのビッグマーケットは、出品料さえ払えば利用できます。これも「せどり」のメリットです。

対面の接客が不要

人と接するのが苦手な人でも、ストレスを感じずに仕事をして稼げるのも、「せどりの良さ」だと思います。

家に閉じこもりがちでニートになってしまった人でも、自分で好きな時に好きなだけできる仕事なので、気軽に働くことができます。この「せどり」を本業として、生計を立てている人もたくさんいます。

「せどり」のデメリット

競争相手が多いこと

デメリットは、「せどり」は販売者が多いため、ライバルが多い点があります。
同じ商品を売っている人がたくさんいれば、価格は下がります。安売り競争になります。よって、買い手から高値で買ってもらうことが難しくなります。

「せどり」は、副業として人気があるアフィリエイトと同じくらい手軽に始められるため、新規参入者が多いです。
また、特別な知識やコンピュータのスキルを必要としないため、日々新規参入者が増えているようです。

ただし「せどり」の参入者が増えても、購入者はたくさんいます。「せどり」の本の売り場と言えるオンライン・ショッピング市場やオンライン・オークション市場は、かなり規模が大きいからです。
そういう状況を考えると、「せどり」の競争相手が多いことはそれほどデメリットと言えないかもしれません。

なお、「せどり」の事業がうまく行かないことはもちろんあります。事業を本格的に始めてもうまくいかず、廃業してしまう事例も見られます。

作業量が増えること

「せどり」で多くの商品を販売するようになると、収入は増えます。だけどその分、本の仕入れ業務や商品発送など、細かい作業が増えて「手続き」が煩雑になることも起こりがちです。
「せどり」の作業は面倒なので辞めてしまった、という人もいます。

しかしこの問題は、「頑張れば十分な収入がある」と考えることで克服可能です。作業量が多いなら、出品数を減らしたり、少し休んだりしてみましょう。

本が好きな人に向いている仕事

近年、サラリーマンに「おすすめの副業」と言えば、常に「せどり」という声を聞きます。なぜかと言うと、古本という商品が意外と身近な場所に存在しているからです。中古の本は、個人でも売買しやすい物と言えます。

今では「せどり」で副収入を得ている人もかなりいます。本気でやっている人の中には、月に10万円以上稼いでいる人もいるそうです。
本好きなら、一日中アルバイトをして稼ぐより、「せどり」で稼ぐほうが楽しいでしょう。

そして今では、「せどり」の対象は本だけではありません。CDやDVD、ゲームソフトなども含まれます。「せどり」という仕事は、いろんな商品を取り扱って稼ぐ仕事と言えます。