ダイエットに繋がる、褐色脂肪細胞の活性化

エネルギーを燃やす褐色脂肪細胞

人は「寒さ」を感じると、体温を上げるために体に溜めたエネルギーを燃やします。この時に使われるエネルギーは、基礎代謝です。もしも冷え性で体温を上げられない人は、基礎代謝が低い人と言えます。

人の体には、白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の2種類があります。

白色脂肪細胞は、体の中の余分なカロリーを中性脂肪として溜め込む働きをします。
寒いと感じた時、白色脂肪細胞に蓄えられているエネルギーが褐色脂肪細胞に渡されます。それを燃やして、熱を生み出します。

褐色脂肪細胞は、エネルギーを燃やす細胞です。褐色脂肪細胞は、首と肩甲骨あたりに集まっています。この部分から熱が生み出されて、温かい血液を全身に送ります。そうすることによって、体温が上がります。

肥満の原因・褐色脂肪細胞の減少

肥満の原因には、色んな事が考えられます。原因として、遺伝によるものが30%、生活環境によるものが70%くらい、と言われています。
栄養バランスの悪い食事や運動不足という、肥満になりやすい生活環境についてはイメージしやすいでしょう。しかし遺伝によるものが30%という指摘は、ちょっとびっくりです。

遺伝子のよる要因の一つに、褐色脂肪細胞の「働きの違い」が挙げられます。
褐色脂肪細胞は基礎代謝を高めて、「エネルギーを燃焼する働き」を持っています。
食事をすると、体の内部に多くの栄養素が入ってきます。その時、褐色脂肪細胞は余分な栄養素を熱エネルギーに変換してくれます。脂肪にならず、燃焼されます。

このように痩せるのに役立ってくれる褐色脂肪細胞は、年を重ねるごとに減っていきます。
食事の量は同じなのに、年を取ると太りやすくなる。その原因の一つは、この褐色脂肪細胞が衰えることにあります。

褐色脂肪細胞を活性化させる方法

「手のひら」を刺激する事

もしも「褐色脂肪細胞の働き」が悪いと、うまくエネルギーを燃やせません。この細胞を活性化することで、基礎代謝を上げられると言われています。

それでは、褐色脂肪細胞を活性化させるためには、どうしたら良いでしょうか。
人の体には、「寒さ」を感じる冷点という部分があります。この冷点を刺激すると「寒さ」を敏感に感じて、褐色脂肪細胞が働きます。つまり、褐色脂肪細胞の活性化に繋がります。

冷点が多くて刺激するのに効果的な部分は、「手のひら」です。

「手のひら」を刺激することが、褐色脂肪細胞を最も活性化させることになります。

「手のひら」は、冷点が多いだけではありません。脳に対する刺激も多い場所です。
「寒さ」を伝えるための情報が、たくさん脳に伝わります。よって、より効果的に褐色脂肪細胞の活性化を行なえます。

ペットボトルを使う方法

褐色脂肪細胞は、「エネルギーを燃やす働き」がある細胞です。この細胞を活性化すれば、基礎代謝がアップします。それは、ダイエット効果に役立ちます。

褐色脂肪細胞を活性化させる方法の一つに、手を刺激する方法があります。体の中でも冷たさを感じやすい手を刺激して、「褐色脂肪細胞の働き」を活発にしましょう。

手を刺激する方法として、ペットボトルを使う方法があります。

  1. まず、ペットボトルに水を入れます。これを冷凍庫で凍らせます。
  2. 凍ったペットボトルを、両手に持ちます。
  3. 次に「平泳ぎ」のように水平に腕を回します。首も上下に動かします。15秒ほど、回します。
  4. その後、お湯で手を温めます。

以上の動作を、5回ほど繰り返してください。「褐色脂肪細胞の働き」を活発にできる、と思います。

シャワーを浴びる事

女性の肩シャワーを使って、この褐色脂肪細胞を活性化させることができます。
褐色脂肪細胞は、首から肩にかけて集中しています。なので、この場所に直接シャワーを当てましょう

40度くらいの「お湯」と20度くらいの「水」を、交互に30秒ずつ当てます。
この動作を5回繰り返してください。

なお、冬の寒い時期では、冷たい水を当てるのはツラいです。こんな時は、水の代わりに「ぬるま湯」を当てても良いです。

基礎代謝を高めてダイエットしましょう

褐色脂肪細胞は、「基礎代謝を高める働き」があります。つまり、「エネルギーを燃焼する働き」をしてくれます。

ダイエットの味方となる「褐色脂肪細胞の働き」は、遺伝子によっても左右されます。
日本人の約3分の1の人は、褐色脂肪細胞に関する遺伝子において生まれつき変異がある、と言われています。そのような遺伝子を持っている人は、正常な遺伝子を持っている人に比べて、基礎代謝量が約200kcalも低いそうです。痩せにくい体であると言えます。

食事や運動において同じように生活しているのに、太りやすい人とそうでない人がいます。たぶん、このような遺伝子の影響もあるのでしょう。
太るのは遺伝子のせいだと、諦める人もいるかもしれません。しかし実は、「その働き」を高めることができます。

褐色脂肪細胞は、水泳をしたり、温度差があるシャワーで直接刺激したりすることで、活性化します。「その働き」を高めることが可能です。
一つの例ですが、肩甲骨のストレッチ運動により、褐色脂肪細胞を刺激できます。ダイエット運動として、肩甲骨の運動をするのも良いでしょう。