昔より増えた、浴衣を着る場面

より身近になった浴衣

浴衣を着ている女性

近年では、和を取り入れたファッションや小物がブームとなっています。中年女性を中心に、和装を楽しむ人が増えました。
そして百貨店や呉服店では、豊富な種類の浴衣(ゆかた)が扱われるようになりました。だけど百貨店や呉服店で浴衣を一式揃えると、結構お金がかかりました。

そんな中、ファストファッションから低価格な浴衣が登場しました。「もっと気軽に楽しめる浴衣が欲しい」という顧客の要望に、対応するためでした。

当初、日本伝統の衣類である浴衣は、ファストファッションのイメージとかけ離れていると考えられていました。そのため発売当初は「顧客に受け入れられるのか?」注目を集めていました。
しかし低価格だけど、それなりに品質の良い浴衣を販売したことによって、若者は洋服を購入する感覚で浴衣を購入しました。その結果、浴衣は「より身近な物」になりました

浴衣のTPO

着物には、TPO(時間・場所・場合に応じた服装の使い分け)があります。例えばお茶会に着ていく着物、結婚式やパーティーに着ていく着物があります。その着物に対応した小物もあります。

着物の場合と同じように、浴衣にもTPOがあります。浴衣のマナーについて知らない場合、失礼になってしまう場合があります。気をつけましょう。

浴衣で出かけても大丈夫な場所は、一昔前と比べて増えたと思います。例えば「花火大会」や「お祭り」では、浴衣姿の人を多く見るようになりました。その他では、野外コンサートスポーツ観戦でも、浴衣姿の人を見かけます。
そのような場所なら、洋服感覚で浴衣を着て行っても問題ないでしょう。

しかし場所によっては、浴衣で入れない所があります。素足に下駄なので、カジュアルな洋服と判断されてしまうからです。例えば歌舞伎座や美術館、高級レストランには、まず入れないです。また、上司や目上の方の「お家」へ招待された場合も、浴衣は避けるべきです。
ただし、浴衣の種類にもよります。「長じゅばん」を着用して足袋に草履なら、大丈夫な場合もあります。

服装規定については、相手(主催者)に事前に確認しておきましょう。

浴衣の着用時期

浴衣を着る時期と言えば、暑い季節を思い浮かべますよね。
しかし暑い季節だからといって、いつまでも着ているのは違和感があるかもしれません。
浴衣は夏の風物詩とも言えますが、「梅雨明け」くらいから「お盆明け」くらいまで着るものだと思います。

しかし近年では8月は暑いため、8月に浴衣を着ても大丈夫だと思います。だけど9月以降に着るのは、季節感がありません。
ただし地域によっては、9月にも「お祭り」があります。そのような場合は、着用しても問題ありません。

着物よりも浴衣のほうが着やすい、というのは良い点です。だけど浴衣は、着ている時期は短いです。

温泉地なら1年中

浴衣は、部屋で「お風呂上がり」に着る場合や温泉地にいる場合、1年中着ることができます。
この場合、浴衣は時期よりも場所に馴染んでいる、と言えます。

せっかく温泉に来たのに、「浴衣がない」なんて悲しいです。そう思わせるだけ、浴衣が温泉に定着しているということです。