旨味を引き出した玉露

被覆栽培で作られた「お茶」

玉露玉露という「お茶」に対して、どのようなイメージを持っているでしょうか?
たぶん高級品というイメージを持っている人が多い、と思います。

玉露は、被覆栽培(ひふくさいばい)によって作られた「お茶」です。被覆栽培では、お茶の新芽が5枚から6枚ほど開いてきた頃に、藁(わら)などで茶園の全体を覆います。そのように覆った状態にして約20日間くらい、お茶に日光を当てないようにします。
近年では、藁や葦簀(よしず)を使わずに、寒冷紗(かんれいしゃ)という化学繊維で出来た物を使って、茶園を覆う場合もあるようです。

このようにして、新芽に当たる光を遮って育てます。その効果として、アミノ酸が生成される量を抑えることができます。そうなると

「お茶の渋み」が軽減されて、旨味がより引き出されます。

ちなみに玉露と同じ被覆栽培で作られた物に、かぶせ茶と言われている「お茶」があります。これは覆っている期間が1週間くらいで、栽培された物です。玉露よりも覆っている期間が短い「お茶」です。

お湯の温度

玉露を美味しく入れたい場合は、低温の「お湯」を使い、じっくりと「旨み」を引き出す事を意識して入れましょう。なぜ低温の「お湯」を使うかと言うと、お茶に含まれているテアニンの旨味成分を、存分に引き出すためです。そして低温の「お湯」を使う事で、「お茶の渋み」を抑えるためです。

茶葉を二度目に使う場合は、先程の「お湯」よりも「やや熱いお湯」を使います。「やや高温のお湯」を使う事で、茶葉に残っている旨み成分と渋み成分において、「いい感じ」でバランスを取れるからです。

さらにもう一回、つまり茶葉を三度目に使う場合は、お湯の温度に気を使う必要はないでしょう。細かい事を気にせずに、お好みの温度の「お湯」を使って、手軽に「お茶の味」を楽しみましょう。