体や心に悪影響、睡眠不足の健康被害

寝不足な女性

体にとって、睡眠は重要な要因です。睡眠時間の質と量は、とても大切です。睡眠の質が悪くて量が少ないと、体に様々な悪影響を及ぼすからです。

しかし現代社会では、「忙しさ」や「ストレス」などで充分に睡眠できない人、いつも睡眠不足の人が多いと言われています。
睡眠不足が続くと手足が震えたり、幻覚を見たりなどの異常な症状が現れたりします。また、体の免疫力や自然治癒力が低下してしまい、多くの病気にかかりやすくなります。

また近年では、睡眠不足と肥満の関連性が指摘されています。睡眠不足が「食べ過ぎ」や「肥満」の原因になる、ということがわかってきています。

もしも実際に睡眠不足になってしまうと、日常生活においても様々な悪い影響が起こります。睡眠不足の影響は、体や精神そして行動に現れてきます。

体力の低下

まず身体面への影響では、不眠によって体力の低下が心配されます。なぜなら、寝ている間に蓄える必要があるエネルギーを蓄えられないからです。

現在では、日本人の数人に一人がなんらかの「睡眠に関する悩み」を持っている、と言われています。
毎日眠れないことぐらい大したことはないと、考える人がいるかもしれません。
ですが、症状が深刻化してきて眠れなくなってしまうと、「体の疲れ」を取れなくなります。慢性的に疲れるようになってしまい、様々な症状が出てくるようになります。健康面において、それは軽視できないことです。

免疫力の低下

睡眠不足が続くと自律神経やホルモンのバランスが崩れてしまい、体の免疫力が低下するという指摘があります。実際に風邪を引きやすくなるなど、病気しがちになるようです。持病が出やすくなることもあります。注意が必要です。

就寝中では、副交感神経が優位になっています。この副交感神経が働くことで免疫力を高められる、と言われています。免疫力を高める効果があるとされる細胞が、活発化するからだそうです。つまり、睡眠を取ることで身体の免疫力をアップできて、健康的でいられることに繋がると言えます。

ちなみに睡眠不足が続くと、交感神経が優位になっている時間が増えます。交感神経が働くことで、免疫力を高める細胞の活動が低下して、「免疫力そのもの」も落ちてしまうそうです。
眠ること、特に快眠する事は体の健康にとても有益と言えます。ずっと健康でありたいなら、しっかりと睡眠を取りましょう。

注意力の低下

次に、精神面に与える影響です。睡眠が充分に取れないことで、「落ち着き」がなくなります。不安で「気持ち」が暗くなったり怒りやすくなったり、疲労を感じて無気力になったりなどの症状が、出てくる場合があります。

行動への影響としては、判断力や注意力が低下してしまい、失敗をしやすくなります。作業する時間や手間が、必要以上に掛かってしまいます。仕事上のミスも多くなるでしょう。
睡眠不足の影響で事故を起こす率が高くなり、交通事故を起こしてしまうこともあります。大変に注意が必要です。

脳へのストレス

もしも適正な睡眠時間帯に睡眠を取れない場合、脳へのストレスはどのくらいあるでしょうか。
実は、通常のストレスの数倍に及ぶと言われています。脳の疲労によって、身体の制御バランスが悪化します。それが、免疫力の低下を招きます。

高血圧

睡眠不足は、高血圧な状態を引き起こすと言われたりしています。睡眠中は心拍数が低下して血圧も下がる、とされています。
しかし睡眠不足の状態になると、心拍数は下がらないそうです。そうなると血管が休まる時間が少なくなり、血管に負担が掛かります。
以上より、高血圧な状態になってしまうそうです。

ホルモン分泌の乱れ

睡眠時間がずっと短い場合、自律神経のバランスが悪くなるでしょう。
自律神経のバランスが乱れると、食欲を調整する脳内物質「セロトニン」と、食欲を抑制する「レプチン」というホルモンに対して、悪い影響が出てきます。

セロトニン

セロトニンは、脳内物質ドーパミンとノルアドレナリンをコントロールしています。
睡眠不足の状態が続くと、セロトニンの分泌が抑えられます。その結果、ドーパミンをコントロールできない状態になり、食欲が過剰になってしまいます。ドーパミンは、食欲や性欲などに関係している脳内物質です。

ちなみにノルアドレナリンは、ストレスを感じた時に反応する脳内物質です。

レプチン

レプチンは、「体脂肪の増加を脳に伝える働き」をします。もしもレプチンの分泌が乱れると、満腹感を感じなくなってしまいます。そうなると、満腹なのに食べてしまうという異常な現象が起きてしまいます。
ある報告によると、4時間の睡眠を2晩繰り返すと、血中のレプチンが18%も減少するという報告があります。

食欲の増加

睡眠不足が続くと体の健康被害だけでなくて、太りやすくなる。そんな指摘があります。睡眠不足が続いた際に出て来る障害の一つに、食欲の増加が挙げられます。
睡眠不足によって起きる「ホルモン分泌の乱れ」も、食欲増加の「きっかけ」と言えるでしょう。

そして食欲の増加は、「食べ過ぎ」に繋がります。食べ過ぎると太るので、健康上問題と言えます。太るのが嫌だという人は、いつも以上に充分に眠るようにしてください。