工夫すれば正確に測定できる体脂肪計

体脂肪計

体脂肪率の測定方法

近年、主に家庭用で普及している体脂肪率測定の機器では、生体インピーダンス法による測定が主流となっています(2010年当時)。

生体インピーダンスでは、「電圧と電流の比」を利用しています。
生体インピーダンスでは、体に微弱の電流を流します。そしてインピーダンスを測定して、体脂肪率を測定します。

体脂肪率の測定法として、とても簡単で便利な測定法と言えます。市販されている体脂肪計のほとんどの物が、この生体インピーダンス法を使っています。

体脂肪計のタイプについては、立ったまま両腕を伸ばしてハンドルを持つタイプが主流です。

問題点

電圧と電流の比を利用して測定する生体インピーダンス法には、いくつかの問題点が指摘されています。

  1. 測定した時間によって、体脂肪率の値に大きな違いが出てしまう。
  2. 製造メーカーによって、体脂肪率の値に違いが出てしまう。
  3. 体の筋肉比率が高い人の場合、正しく体脂肪率の値を測定できない。

以上のような問題点が、指摘されています。

(1)については、生体インピーダンスは体の状態によって大きく影響を受けるので、起床時や就寝直前に測定した際、それぞれの体脂肪率の値に大きな違いが出てしまうという事です。

(2)については、インピーダンスを測定して体脂肪率を求める電子システムが、製造メーカーによって違うためです。

(3)については、スポーツ選手の場合、一般人よりも体の筋肉比率が高いので、正確に体脂肪率の値を測定できないという事です。

家庭用の体脂肪計は、正確な値ではないという事を覚えておきましょう。

体脂肪率の測定場所

体脂肪率を測定できる体脂肪計は、その測定場所によっても区別できます。近年よく見られる測定場所として、手のひら・足の裏・全身があります。

手のひら

「手のひら」から体に対して電気を通して体脂肪を測定する物は、使い勝手が良いと言えます。洋服を着たままでも体脂肪率を測定できるとされており、手軽に使える体脂肪計だと思います。手に持っている測定器具に測定結果の数値が表示されるので、確認もしやすいです。

ただし測定の結果は、上半身の体型に影響されやすいそうです。測定する際の姿勢の違いによっても、数値が変わってしまうそうです。なので、その点注意が必要です。

足の裏

足の裏から測定する物は、体脂肪率と体重を同時に測定できます。体脂肪計に乗るだけで測定できるので、使い勝手も良いでしょう。

ただし測定する際、靴下を脱いで裸足になる必要があります。あと、測定結果が下半身の体型に影響を受けやすい点も、注意が必要です。

全身

全身から測定する物は、測定結果が「かなり正確」と言われています。きちんと正確な体脂肪率を知りたいなら、全身から測定するタイプの体脂肪計が良いでしょう。

ただし測定に掛かる時間は、他のタイプの物と比べて長いようです。結果が出るまで、待たされることが多いです。

正確に測るコツ

体脂肪の測定

家庭用の体脂肪計で体脂肪率を正確に測る事は、なかなか難しいとされています。
ですが、正しい測定方法で測るように心掛ければ、結構「正確な値」に近づけると思います。

体脂肪率を正しく測るためのコツは、毎日同じ条件で計測することです。
例えば入浴前と入浴後では、測定値に違いが出てしまいます。入浴後に測ると決めたなら、毎日そうしてください。

測る時間帯

ちなみに体脂肪率を測るのに良いと言われている時間帯は、夜に「お風呂」に入ってから2時間後くらいまでの間とされています。
入浴後の就寝するまでの時間帯が、体の中の水分量や水分の分布状態が落ち着いているそうです。なので、正確に体脂肪率を測るのに向いている時間帯とされています。

正しい個人データ

なお、多くの体脂肪計では、個人のデータを入力する必要があります。年齢や身長などは、実際の値を入力してください。体脂肪率は、それら個人のデータを参考にして、指定の計算式に当てはめて測定値を求めています。
計算によって正しい測定値を求めるためには、正しい個人データが必要です。

体脂肪

体脂肪とは、体中に存在している脂肪のことです。皮膚や皮膚の下にある皮下、筋肉や骨、血液中など、体のあらゆる所に存在している脂肪です。

体脂肪については、「皮下脂肪」と「内臓脂肪」に分けられます。脂肪が蓄積している部分によって、分けられています。

「皮下脂肪」とは、皮膚組織のすぐ下にある脂肪の事です。男性よりも女性のほうが付きやすいと言えます。
「内臓脂肪」とは、内臓の周りに付く脂肪の事です。お腹周りなどに付きやすい脂肪です。この脂肪は付きやすいけれど、落ちやすい脂肪と言えます。

体脂肪率が高すぎると肥満になり、健康上悪いと言われています。そんな事を聞くと、体脂肪率は低いほうが健康だと思ってしまうでしょう。

ですが脂肪は、体に必須の物です。
体脂肪には、体内のエネルギーを溜める、体温を維持するという働きがあります。体を守るためのクッションにもなります。適度な脂肪は、健康であるために必要と言えます。

体脂肪率

体脂肪率によって、肥満度を知ることができます。ちなみに肥満とは、体の中に体脂肪が増え過ぎてしまった状態のことです。

一般の成人男性の場合、体脂肪率が20%以上で軽度肥満、25%以上で中度肥満、30%以上で重度肥満と言われています。
男性の平均は、10%から19%です。

同様に女性の場合、体脂肪率が30%以上で軽度肥満、35%以上で中度肥満、40%以上で重度肥満と言われています。
女性の平均は、20%から29%です(以上、2010年当時の判断基準です)。

なお、体脂肪率は低ければ良いというものではありません。あまりに低すぎると、体温が低下したり筋力が低下したりするので、体に悪いと言えます。

計算方法

体脂肪率の計算方法は、「体脂肪量 ÷ 体重 × 100」です。

この計算値については、家庭用の体脂肪計を使えば簡単に測定できます。定期的に、自分の体脂肪率を測ってみましょう。