妊婦さんには必須の栄養素・葉酸

ビタミンBの一種である葉酸は、いわゆる水溶性ビタミンです。ビタミンB群は葉酸の他にも、8種類あります。ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチンの8種類です。

ビタミンBは体内で生成できないため、外部から補給する必要があります。

妊婦さんには欠かせない栄養素

葉酸は、健康食品のサプリメントとしてよく見かける栄養素です。

特に、妊婦さんには必須の栄養素として知られています。母子手帳に書かれているほど、必要な栄養です。毎日400gの葉酸を摂取することで、神経管閉鎖障害が発症することを防げるとされています。
妊娠を希望される方は、日頃から摂取すると良いです。

葉酸の働きについて言うと、葉酸はDNAを正しくコピーさせて、細胞分裂が健全に行なわれるのを助ける働きがあります。
葉酸は、体内でのDNAやアミノ酸の合成に欠かせない栄養素であり、葉酸が不足すると様々な障害が発生します。

葉酸不足のリスク

中枢神経系疾患のリスクは、細胞分裂や細胞増殖が最も活発な胎児期に特に高いです。この時期に葉酸が不足すると中枢神経系疾患のリスクが高まる、と言われています。

最も一般的な障害は、無脳症と二分脊椎などの神経管閉鎖障害です。脳や脊椎の形成が不完全であるために、体の様々な部分に障害が生じます。
もしも赤ちゃんが神経管閉鎖障害になってしまったら、生まれつき歩けない障害、直腸が働かない障害、膀胱機能が働かない障害などを、持ってしまうそうです。

以上のような障害のすべてが、葉酸不足によって引き起こされるわけではありません。しかし、妊娠初期に葉酸が不足すると、これらの障害が発生しやすくなることが知られています。

そして葉酸不足は赤ちゃんだけでなくて母体に対しても、悪い影響を与えます。流産や死産する可能性が高くなるということです。

中高年にも重要な栄養素

また葉酸には、動脈硬化のリスクを軽減する効果があることもわかっています。なので葉酸は、妊娠中の女性や若い女性だけでなく、中高年の方にも重要な栄養素と言えます。

高齢者では、この葉酸がアルツハイマー病などの認知症の予防に必要とされています。
血中の葉酸濃度が低いと、認知症のリスクが高くなると言われています。
そういうことより葉酸は、日本人の高齢化に伴い、近年注目されている栄養素です。

摂取が難しいなら、葉酸サプリ

葉酸

葉酸は、ほうれん草やブロッコリーなどの濃い緑の野菜(緑黄色野菜)や、果物、豆類(大豆製品)、レバーに多く含まれています。

しかし妊娠中に、これらの食材から1日に必要な量の葉酸を摂取するのは難しい、と言われています。また、水溶性ビタミンである葉酸は、まとめて摂取しておくことは不可能です。
なので、サプリメントを利用することも考えましょう。

もちろん、必要な葉酸を食事から摂取するのが一番良いです。だけど、葉酸たっぷりな食事を毎日用意するのは難しいでしょう。葉酸の摂取を諦めてしまい、その結果、葉酸不足になってしまっては意味がありません。

摂取量については、1日あたり女性は400ug、男性は200ugが理想的と言われています。