虚弱な女性に向いている物もある、婦人病の漢方薬

更年期障害

更年期障害は、女性特有の疾患です。婦人病の一つとされています。

症状は、めまい・頭痛・耳鳴り・動悸・胃腸障害・イライラ・不眠・高血圧などが、あります。
卵巣の機能が低下することで、様々なホルモン分泌のバランスが崩れることから起こります。

漢方医学では、主に「お血」と「気の上衡（じょうしょう）」が原因とされます。
「お血」とは、血が滞った状態のことを言います。
「気の上衡」とは、「のぼせ」や「イライラ」の原因とされるものです。

漢方薬

女性の疾患に対してよく使用される漢方薬は、「ケイシブクリョウガン」という物です。
これは、「お血」に対して処方される代表的な物です。「のぼせ」や「耳鳴り」、「肩こり」や「頭痛」という症状があり、顔が「赤み」を帯びて、肌の色が黒ずんでいる女性に向いています。
しかし虚弱な女性（虚証）には、「不向き」です。

虚弱な女性に向いている漢方薬は、「トウキシャクヤクサン」です。
「みぞおち」を叩くとピシャピシャという音がする場合に、処方されます。
また「カミショウヨウサン（加味逍遥散）」も、虚弱な人向けです。
右の上腹部に抵抗があり、イライラや不眠などの症状がある女性に向いています。

月経不順

女性の病気である月経不順や更年期障害、そして女性に多いと言われている冷え性に対して、漢方薬は有効と言えます。

ところで、月経の異常に悩む女性は多いと思います。
漢方医学において、月経不順は主に血の異常と考えられています。つまり、血が滞った状態です。
また、興奮や不安・イライラなどの症状は、気の異常と考えられます。
吐き気や下痢については、水の異常と考えられています。

漢方薬

これらの異常を改善するために、漢方薬が用いられます。
「トウキシャクヤクサン」や「ケイシブクリョウガン」「カミショウヨウサン（加味逍遥散）」などが、よく用いられます。
これらは、気・水・血のそれぞれに配慮した物です。

なお、症状が「ひどい場合」は、まずは病院に行って医師に診てもらいましょう。