肥満症で処方される漢方薬

多くの病気の原因となる肥満

肥満になると体重が極端に増えるので、心肺能力が低下します。心肺能力が低下することで「心臓の働き」が悪くなり、血流が乱れてしまいます。そのため血中に血栓が出来てしまい、動脈硬化などを引き起こす可能性があります。

膝の関節痛にも気をつけたいです。人は歩いている時、体重の2倍から3倍ほどの力が膝にかかっている、と言われています。膝の負担を軽くするためにも、肥満にならないようにしましょう。

肥満は、多くの病気に関わっている要因です。「太り過ぎ」にならないために、こまめに体脂肪率をチェックしましょう。

糖尿病

体脂肪率が高くなると、肥満ということになります。この肥満が原因で起こる病気の一つに、糖尿病があります。
糖尿病は、肥満のためにインシュリンの分泌が減ってしまうことが原因と言われています。
定期的に体脂肪率をチェックすることで、生活習慣病を早期に発見できます。それは糖尿病の予防に繋がります。

現在では、糖尿病や糖尿病予備軍と言える人たちが増えているそうです。
成人の糖尿病は、すい臓から出るインスリンの分泌量が減り、血液中の糖分が正常に分解されないために体内に取り込まれず、血液中に残ってしまう病気です。

糖尿病の治療法や対策は様々あり、毎日インスリンが必要となる人、食事療法で病気の進行を抑える人など、多くのケースがあります。

漢方薬では治せません

なお、漢方薬による治療では、血糖値を下げるなどの糖尿病の完治・根治は望めません
漢方薬では、疲労感や全身の倦怠感、喉の渇き・頻尿・食欲不振などの症状が軽減されるだけ、ということです。

ちなみに糖尿病に対しては、「サイコケイシカンキョウトウ」が用いられます。この漢方薬はサイコ剤であることから、肝臓機能に障害がある人向きです。
また、痩せ型で顔色がすぐれない人、疲労感が強い人、お腹全体に締りがなくて上腹部に「軽い痛み」がある人、腹部大動脈の拍動が強い人に対しても用いられます。

肥満症の漢方薬

ぽっこりお腹の男性肥満とは、摂取カロリーが消費カロリーを上回った結果、太ってしまった状態のことです。必要以上に、中性脂肪が蓄積した状態です。

肥満症を改善するための方法は、基本的に食事療法と運動療法です。
バランスが取れた食事を取り、適度に体を動かすことが大切です。

この肥満症に対して、漢方薬は補助的な役割を果たす程度に留まります。
漢方薬は、肥満に伴う諸症状を軽減する効果を期待できます。関節痛や肩こり、便秘・月経異常・高血圧症などの軽減を期待できます。

体力があって、「便秘」や「肩こり」がある場合は、「ボウフウツウショウサン(防風通聖散)」が用いられます。
体力が低下して、皮膚が白くて、張りのない水太りの場合は、「ボウイオウギトウ」が用いられます。このタイプは、女性に多いです。汗をかきやすく、尿量が少ないという特徴があります。