公共サービスの支援を受けられる在宅介護

必要とされている在宅介護

日本では、高齢者の数がどんどん増えています。よって、いま自分にとって関係ないことでも、いずれは介護という問題に、誰でも直面することになると予想されています。
寿命が延びていることもあり、70代の子供が90代の親を在宅で介護する状況は、よくあることになっています。夫婦の場合でも似たような状況が起きており、これらは「老老介護」と言われています。

もしも在宅で介護することになったら、介護される人の「気持ち」や「体」の状況をきちんと理解しましょう。そして

  • 自己決定権の尊重
  • 継続性の尊重
  • 残存能力の活用

という介護の3原則にのっとって、介護をしてください。

介護を行なう側としては、家族の一人だけに押し付けるようなことをしてはいけません。介護保険を上手に利用して、介護する側の健康管理にも十分に注意してください。

公共のサービスには、訪問介護や通所介護などで入浴や食事などを支援してくれるものもあります。市町村の広報誌などに目を通したりして、介護サービスに関する情報を集めておきましょう。地域の在宅介護支援センターや市町村の担当窓口などで、相談するのも良いです。

在宅でのケアは、いま高齢者にとって一番不足している事と言えます。だけど、必要とされている事です
在宅のケアでは通所と違って、最初から機械類や人員が揃っていません。なので介護を行なう中でも難しい、とされています。
現在では在宅介護を始め、介護に対する考え方も変わってきています。家族だけで介護の負担を担うのではなくて、医療や福祉を利用して社会全体で介護を支援する、という考え方に変わってきています。

要介護者の認定

介護サービスを利用する際、利用者が要介護者であると認定される必要があります
要介護度の審査は、認定審査会によって審査が行なわれます。その際、保険者(調査員)が認定調査を行なった結果と、かかりつけ医が作成した意見書を基に審査されます。
その審査結果に基づいて、ケアマネージャーが居宅介護サービスの内容を決めます。

以上のような審査制度により、昔に比べて在宅介護が行ないやすくなったと言えます。昔では、自宅での介護はかなり困難だったそうです。

要介護認定を受けた被保険者が事業者から介護サービスを受けた場合、保険を利用できます。保険を利用する事で、実費の負担を軽くできます。

訪問介護

在宅介護

介護サービスの一つに、訪問介護というサービスがあります。これは、施設側が自宅に移動して介護を行なうというものです。看護師や介護スタッフが、入浴などの手伝いを行なってくれるサービスです。

サービスを受ける際、利用者は「ある程度の費用」を負担することになります。介護保険の介護サービスを利用する場合は、居宅介護支援事業所に相談して、介護サービス計画を作成してもらうことになります。

居宅介護の利用者は、ケアマネージャーに介護サービスの希望などを相談してケアプランを作ってもらいます。そしてケアマネージャーは作成されたケアプランを基に、市町村や事業所などと調整を行ないます。
なお、利用者の状態や介護状況によって、ケアプランは変更される事もあります。

受けるサービスの内容については、日常生活の世話となります。具体的には、食事や入浴、排泄の介護、調理や洗濯・掃除などの家事です。訪問看護では、そのような身の回りの世話のサービスを受けられます。
ただし、全ての身の回りを世話してもらえるという訳ではありません。しかし、日常的に家族が介護を行なっている家庭では、訪問看護により家族の負担を減らせます。なので、サービスの活用を検討しましょう。

巡回入浴サービス

訪問看護による巡回入浴サービスでは、介護を受ける人の体調を確認しながら行なってくれます。なので、サービスを受ける側の家族も安心できると思います。専門家たちが行なう介護の入浴ということなので、入浴前、入浴中の血圧や脈拍、体温などをきめ細かく監視しながら、入浴をさせてくれます。

入浴することは、健常者にとっては簡単な事ですが、要介護者にとっては体力を消耗する事です。そして介護者にとっても、負担の大きい作業と言えます。
しかし「お風呂に入ること」は、気持ちがいい事です。今後ますます、巡回入浴サービスが充実されてゆくことが、期待されています。

ちなみに、巡回入浴車と呼ばれている入浴施設が付いている車で出向くサービスがあります。看護士やスタッフたちが「この車」を利用して、入浴の介助を行ないます。

入浴の介助サービスは、身体介護の一つです。スタッフが要介護者の体に直接触れるタイプの介助サービスには、入浴の他では食事介助や身体整容、排泄などがあります。

家族にとってありがたいサービス

在宅の要介護者にとって、巡回入浴はありがたいサービスと言えます。家族が在宅で日常の世話を行なう際、入浴という作業については、複数の介護者がいないと難しいからです。
また、家庭の浴槽では、体調の管理を充分にできません。入浴する場合、体温の変化が大きくなる事や、入浴の時間が長過ぎると脈拍が速くなるなど、心配な事が出てきます。

家族は、看護師などのように専門知識がない人がほとんどでしょう。なので、自宅で要介護者を入浴させるということに、とても不安になります。
また、入浴の際、転倒による怪我という事故が発生しやすくなります。事故が起こる可能性があることからも、家族の心配はなくなりません。

安全で安心な入浴介助サービス

ご自宅の浴室を介護しやすいように改築したいと望んでいる方がいる、と聞きました。改築の内容としては、「手すり」を付けたり「段差」をなくしたりなどが思いつきます。

ですが介護に詳しい人の意見として、入浴介助サービスを利用するほうが良いという意見があります。なぜかと言うと、自宅の浴室で入浴の介助をすることは負担が大きく、介助者が大変に疲れてしまうからだそうです。
負担が大きいだけでなくて、浴室は怪我をする危険のある場所と言えます。例えば体に障害のある介護者が浴槽に入る際、その行動が危険を伴うと言えます。転倒してしまう危険があったりします。そんな危険を犯してまで、自宅で入浴介助を行なう必要はないと言えます。

無理してまで自宅での介護に拘るよりも、介護のプロによる入浴介助サービスを利用してください。そうするほうが、介護者も介助者も共に安全であり安心できると言えます。

訪問リハビリテーション

なお、訪問介護のサービス内容は、その地域や施設の充実度によって違います。前もって調べておくと良いです。

例えば、介護保険の対象サービスとして、訪問リハビリテーションがあります。これは理学療法士や作業療法士が要介護者の自宅に訪問して、リハビリテーションをサポートするサービスになります。要介護者は自宅にいながら、日常生活の自立に役立つリハビリを受けられます。
なお、訪問リハビリテーションを利用する場合は、担当の医師と相談して、ケアマネージャーに介護サービスの計画を考えてもらうと良いです。

具体的な「訪問介護の手続き」については、各自治体に問い合わせてください。介護保険の適用については、細かい規定があると聞きます。自分の家族が「その適用を受けられるか」確認する必要があります。

※この記事は2007年当時の記事になります。最新の介護保険制度の内容については、専門家に相談してください。