腸を刺激して便秘を改善する方法

腸の位置を戻す運動

腸を適切な位置に戻す運動は、例えば腹筋が少ないために腸が動きにくくなり、便秘になりがちという人に対して便秘解消を期待できます。
腹筋をつける運動とともに、腸を適切な位置に戻す運動も取り入れると効果的です。

逆立ち

腸の位置を戻す運動の一例として、「逆立ち」があります。「逆立ち」は、下垂した胃腸を戻すために効果があります。
逆立ちする際は、なるべく垂直になるように膝を伸ばしましょう。
この運動には、腸を刺激する効果もあります。

自転車こぎ

他には、自転車こぎ運動も腸を刺激します。
「逆立ち」の姿勢から、自転車のペダルをこぐように左右の足を回転させます。

ラッコ体操

上体をひねる運動やラッコ体操も、腸を適切な位置に戻して、腸を刺激する効果があります。
ラッコ体操とは、膝を曲げて背中を丸めた状態で膝を抱えて座ります。
そのままゆっくりと後ろに倒れて、反動を使って前後に2回から3回ゆすって、元の姿勢に戻る運動です。

これらの運動をして、腸を刺激して動かしましょう。ただし、無理をしてはいけません。出来る範囲で行ないましょう。

腸に刺激を与えるマッサージ

お腹

便秘の症状がある人は、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)が弱くなっているようです。そんな状態の時は、便が移動していく方向に合わせてマッサージをしたり押したりすると、便秘の改善に効果的です。

このようなマッサージは、外側から直接的に腸に刺激を与えるものです。このマッサージをトイレに座って行なうと、排便しやすくなるでしょう。

やり方

「おへそ」の周りを、時計回りに押しなでていきます。
マッサージする時は、「便の流れ」を意識します。「おへそ」の下、右下腹部、「おへそ」の上、左下腹部と、時計回りに10回くらい軽く押してください(「の」の字を描くようにマッサージをします)。

S状結腸マッサージ

最後にS状結腸の上から、両手を揃えて軽く押すと効果的です。
S状結腸は、左下腹部の腰骨の内側辺りにあります。この部分は、便秘になると便が溜まることが多い場所です。仰向けに寝た状態で「この部分」を確認すると、便秘気味の時は張っていることがわかると思います。
便秘改善には「この部分」を刺激すると、とても効果があります。

やり方

「おへそ」の左下に両手を重ねて、軽く数回押します。
そして指先を足の付け根辺りまで、斜め下に移動させます。

このS状結腸マッサージは、毎日就寝前に行なうなど規則的に続けましょう。そうすることで、腸のリズムを整えられるでしょう。
なお、マッサージを行なう場合は、両手を温めてから始めましょう。

腸に刺激を与える冷水

便秘解消法の一つに、朝、冷たい水を飲むという方法があります。
朝に冷水を飲むと、「水が体内に入るという刺激」と「冷たい刺激」により、次の2つの効果を期待できます。

一つは、腸を刺激して蠕動運動を促す効果です。
もう一つは、水分補給により便が柔らかくなり、「お通じ」がスムーズになるという効果です。
冷水

朝、起きた時の空腹状態の胃袋に冷たい水を流し込むと、胃が動き始めます。胃・大腸反射が起こり、腸の蠕動(ぜんどう)運動が活発になります。胃・大腸反射は、胃袋が空の時に一番起こりやすいです。そのため、起きたらすぐに水を飲むと効果的です。

また、牛乳でも効果を期待できます。牛乳には、水にはない下剤の効果もあります。起き抜けの水であんまり効果を感じられなかったら、牛乳も試してみると良いでしょう。

なお、けいれん性の便秘の人の場合は、冷たい水を飲むのでなく、「お湯」または「ホットミルク」を飲むと良いでしょう。

以上のように、朝に一杯の水分を飲むことは便秘解消法として有効と言えます。ただしこれらの方法は、充分に食事の量を取れていることが前提となります。

朝、起き抜けに水を飲んで胃腸が活発に働いても、朝食を食べていないなら便意は起こりません。毎朝、便の素となるような食事を取ることが、大切です。朝食をしっかり取るようにしてください。「朝食抜き」は、便秘の原因となってしまうからです。

便秘解消に良い「朝のスケジュール例」

最初に、1杯の水を飲みます。そして朝食を食べます。
その後、ちょっと休憩します。それから、トイレタイムを取ります。
仮に便意が起こらなくても、決まった時間にトイレに入るようにしてみましょう。トイレタイムを習慣にしてください。

便秘を解消するために朝食を食べる習慣をつけた場合、朝に便意が起こってくると思います。そのタイミングを逃さないようにしましょう。便意があるのに我慢していたら、再び便秘になってしまうかもしれません。

朝という忙しい時にトイレタイムを取るには、早起きする事が必要です。便秘解消のためにも、規則正しく早起きするように頑張りましょう。