各症状で処方される漢方薬・葛根湯

風邪

漢方薬

漢方薬のイメージ画像

風邪の症状は様々であり、原因も様々です。
悪寒(おかん)・発熱、頭痛・筋肉痛・関節痛など、いくつかの症状があります。しかも一つの症状だけ現れるのではなく、いくつも同時に現れることが一般です。

風邪の原因についても「ウイルス」や「細菌」「寒さ」など、様々あるようです。

漢方医学では、風邪を引いたと思われる人の症状から二つのタイプに分けます。「陽証」と「陰証」です。
「陽証」は体力があって、発熱や頭痛・関節痛・喉頭痛などの「痛み」があることです。
「陰証」は体力がなくて、悪寒や全身の倦怠感があることです。
漢方薬を決める場合、その人の体質・体力・抵抗力、病気の進行具合などを総合的に判断して決めます。

初期症状で陽証の人には、「葛根湯(かっこんとう)」が適しています。
同じ初期症状でも虚弱な体質の人には、「桂枝湯(けいしとう)」が良いでしょう。
体力が低下していて、不安や不眠などの精神症状がある陰証の人には、「香蘇散(こうそさん)」が適していると言われています。

専門医の診察を受けて、自分にピッタリ合う漢方薬を選びましょう。

頭痛

釣藤散

「釣藤散(ちょうとうさん)」は、朝の起床時の頭痛などに効果を期待できる漢方薬です。
お年よりに見られるような「のぼせ」や「肩こり」「耳鳴り」などを伴う頭痛を治すのに良いでしょう。
この薬は、比較的に体力がある人で、動脈硬化・神経症・更年期障害から来る頭痛についても、よく処方されます。

七物降下湯

「七物降下湯(しちもつこうかとう)」は、体力が低下気味の高血圧症に用いられる薬です。そして頭痛にも用いられます。

ただし、この漢方薬は「胃腸が強い人向き」です。胃腸が弱い人に対しては、処方を避けられています。もしも胃腸が弱い人に七物降下湯を用いると、胃腸障害や下痢を引き起こす原因となってしまいます。

桂枝人参湯

胃腸が弱い人の頭痛に対しては、七物降下湯の代わりに「桂枝人参湯(けいしにんじんとう)」、「半夏白じゅつ天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)」を処方します。
これらは、胃腸障害がある方の頭痛に対して有効です。

葛根湯

また、風邪薬として知られている「葛根湯(かっこんとう)」を、頭痛薬として用いる場合があります。
この薬の成分である「葛根湯(かっこん)」や「麻黄(まおう)」、「桂枝(けいし)」や「芍薬(しゃくやく)」に、筋弛緩作用や血管拡張作用があることから、頭痛にも有効とされています。

夜尿症

夜尿症は、複雑な要因が関係し合って起こります。自律神経系や精神的な要素からの影響が強くて、「しつけ」も関係しているそうです。

漢方薬は夜尿症に対して、とても効果があると言われています。
一度効き目があると、その事が「お子さん」にとって自信に繋がることから、さらに症状が改善する場合があります。

処方される漢方薬は、お子さんのタイプによって異なります。以下に示した漢方薬は、あくまでも「おおよその目安」と考えてください。詳しくは、漢方医学の専門家に診てもらってください。

葛根湯(かっこんとう)

軽い蓄膿症を持つ「お子さん」の場合。
夜尿症の「お子さん」には、蓄膿症を持っている「お子さん」が多いです。

ケイシカリュウコツボレイトウ

ねぼけることが多く、気が小さい「お子さん」の場合。

ショウケンチュウトウ、サイコケイシトウ

痩せ型で神経質、昼間にトイレが近い「お子さん」の場合。

ビャッコカニンジントウ

元気があり、顔が赤らんでいて、水分を多く摂取している「お子さん」の場合。

ロクミガン

運動が苦手な「お子さん」の場合。

リョウキュウジュツカントウ

寒がりで冷え性タイプの「お子さん」の場合。
特に「冷え」が強い場合には、「ブシ」を加えます。「ブシ」には、体を温める作用があります。

眼精疲労

毎日、スマートフォンやパソコンなどの画面を見続けている人は多いでしょう。これらの電子端末の画面を見る事は、現代人において日常となりました。

そのためでしょうか、「目の疲れ」いわゆる「眼精疲労」に悩む人が増えていると聞きます。眼精疲労になると「目の疲れ」はもちろん、「肩こり」や「頭痛」「めまい」という症状も起きたりするそうです。症状がひどい場合は、日常生活に「支障をきたす恐れ」があります。

漢方は、体の不調を治すために使われるものです。そして、疲れ目や眼精疲労の改善にも使うことができます。
漢方では、目は体と密接に関係があるとしています。そして眼精疲労や疲れ目は、ストレスと深く関係していると考えられています。漢方の治療では、本来人間が持っている自然治癒力を高めることで、体の不調を治すことを目指しています。これは、疲れ目という目の不調を治すことにも繋がります。

例えば風邪薬としてよく使われている葛根湯(かっこんとう)は、疲れ目の治療においても用いられています。さらに葛根湯は、「頭痛」や「肩こり」の症状にも効果を期待できるとされています。なので眼精疲労による「頭痛」や「肩こり」に悩む人に、合っている漢方薬だと思います。

ちなみに疲れ目改善のために処方される漢方薬には、先ほどの葛根湯を始め、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)や五苓散(ごれいさん)、十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)があります。

毎日、電子端末の画面を見て疲れている方は、漢方の利用を検討してみましょう。目や体の不快な症状を改善できる可能性があるからです。
もしも自分に最適な漢方薬が見つかれば、疲れ目の改善はもちろん、体全体の調子が良くなる可能性があります。漢方の専門医と相談の上、自分にピッタリ合う漢方薬を見つけてください。