「気の流れ」を良くして不眠症を解消、漢方薬

不眠症の原因を確認しましょう

眠れない人不眠症を「しっかり解消させたい」なら、まずはその原因を、きちんと突き止める事が大事です。寝具に問題があると思っていたらそうではなくて、実はストレスが原因だったという可能性もあるからです。

何か心配事があって、それが要因で不眠になっている場合は、その心配事がなくなれば不眠症を解消できるでしょう。不眠の原因がわかれば、その対策を打ち出しやすいと言えます。

なお、不眠症の症状には個人差があります。その原因も、人それぞれの事情があります。原因を正確に特定するには、専門医に診てもらう必要があるでしょう。身体的な事が原因で不眠症になっているなら、なおさら医師に診てもらう必要があります。

高齢者の不眠の原因

ここでは参考として、高齢者の不眠の原因についてお話したいと思います。
高齢になってくると寝つきが悪かったり、朝早く目覚めてしまったりします。夜中に何度か、トイレのために起きてしまうことも多いです。これでは、なかなか熟睡できないと思います。

こうなってしまう原因としては、若い時ほど体を動かさなくなり、消費するエネルギー量が減ってしまったことが挙げられます。加齢によって最高体温が低くなったことや、一日の体温サイクルがずれてしまうことも、原因と言えるでしょう。
その他には、睡眠を促すメラトニンというホルモンの分泌が少なくなること、これも原因と言われています。

最高体温が低いこと

高齢者の不眠の原因の一つに、体温の差が小さいということがあります。
人は、体温が下がる時に眠気を感じます。体温の低下の幅が大きいほど、眠気を感じます。しかし高齢になるにつれて、最高体温が低くなります。そのために体温の幅が小さくなり、眠気を感じにくくなるようです。
なお、人間の体温が一番低い時は、起きる直前です。一番高い時は、夜寝る前です。眠ってからは、体温は下がってゆきます。

また、体温サイクルがずれると、朝早く目覚めてしまいます。高齢になると、一日の体温サイクルが前倒しになるようです。体温が上がると、人は目覚めます。つまりサイクルが前倒しになる分、朝早く目覚めてしまいます。

不眠症の漢方薬

西洋医学の場合は、不眠症の治療として睡眠薬を飲むということになるでしょう。睡眠薬については、近年、安全性の高い物が出てきました。ですが習慣性や副作用があることから、敬遠されがちです。

漢方薬の場合は、即効性はありません。しかし副作用の心配も、ほとんどありません。なので安心して飲める、と思います。

漢方薬が有効である不眠症とは、不眠の原因となる疾患がない場合です。
「リュウコツ(竜骨)」「サンソウニン」「ブクリョウ」という、鎮静作用のある生薬が配合されている物を用います。虚弱でない人で、怒りっぽくて神経質な人に対して有効です。
一方、体力がない虚弱な人、心身ともに疲労している人に対しては「サンソウニントウ」が良いでしょう。ただしこの薬は、「胃腸が弱い人には不向き」です。

なお、ここで示した漢方薬は、おおよその目安と考えてください。漢方医学の専門家に診てもらって、処方してもらってください。

漢方で不眠症を解消する場合、「気の流れ」をスムーズにすることで眠れるようにする、と考えます。

もしもイライラして眠れない場合には、気分を落ち着かせようと考えます。

「なかなか寝つけない」
「一度、目が覚めると、再び眠れない」

不眠症は、当人にとって非常にツラい症状だと思います。
漢方医学・西洋医学のどちらに頼っても良いです。不眠症を治して元気になりましょう。

気滞と不眠

漢方で重要な要素の一つに、「気」があります。「気」は、重要な生命エネルギーであると考えられています。もしも「気の流れ」が滞ったりすると、身体が不調になるとされています。
特にストレスや緊張状態が続くと、「気の流れ」が滞る状態になります。この状態の事を「気滞」と言います。「気滞」になると、気分がイライラしたり不眠になったりなどの症状が出てきます。

また、「気虚」という「気」が不足した状態になると、免疫力が低下するとされています。虚弱になってしまい、老化が進むとも言われています。
なんだか「やる気」が起こらない、少し動いただけなのに疲れてしまう。これらは、「気」が不足している状態と言えます。「元気」「やる気」という言葉に「気」が使われているのも、なんとなく納得できます。

ちなみに、「気」を養うためには「早寝早起き」が良いとされています。なぜなら「気」は、朝に作られると考えられているからです。寝坊する事が多い人は、早起きする生活にしたほうが元気になれるかもしれません。