自然治癒力をサポートするホリスティック医学

西洋医学と自然治癒力

過去の西洋医学では、自然治癒力に対して、それほど重要視していない部分がありました。治療の目標は、体に表れた異常を人工的に元に戻して、「痛み」や「異常がある部分」を排除することです。
実際の治療では、投薬や手術、放射線などによる対症療法が、中心となります。
しかし、このような治療は人間の心を無視している、人間の臓器を物として取り扱っている、と批判する声があります。

また、治療によって病気の「痛み」や「異常な部分」を排除できても、病気を引き起こした原因を取り除いた訳ではありません。つまり、表面的に病気を治したけれど、根本的に治したことにはなっていない、という指摘がありました。

ホリスティック医学

自然治癒力をサポート

自然治癒力は、様々な要因によって低下したり向上したりします。その要因としては、ストレス・食生活・適度な運動・充分な睡眠・生活環境などがあります。

ホリスティック医学では、自然治癒力によって病気を治癒します。医学は自然治癒力をサポートするものという「考え」を、基本にします。
つまり、自然治癒力が低下すれば人間は病気になる、しかし自然治癒力が向上すれば病気は治る、と考えます。よって治療では、自然治癒力を高める事が目標となります。

心身医学

ホリスティック医学の一つに、心身医学という分野があります。これは、患者の身体的な面だけではなくて、心理面・社会面も含めて診るための医学です。つまり、統合的に人間を診るための医学となります。

心身医学の治療では、イメージ療法や暗示療法、セルフコントロール法などが行なわれています。今までの西洋医療では効果を得られなかった病状に対して、効果を発揮しているようです。
心の力を用いることで自然治癒力を高めて、病気を治癒するという考え方は、スピリチュアル医療の考え方と共通していると言えます。

日本の病院では、近年、心療内科の設置が認められるようになってきました。心身医学に基づいた治療で、その効果が出てきています。

今まで行なわれてきた西洋医療では、心は「脳」という物質の産物とされてきました。心の存在を、ほとんど無視してきました。
しかし近年の研究においては、心と体は「お互いに影響し合う」という考え方が、医学の中で一般的になってきました。

実証の試み

今後期待されている医療の一つであるホリスティック医学では、ハーブ療法や栄養療法という代替療法においては、厳密な臨床調査が実施されるようになりました。

近年、科学的にホリスティック医学を実証しようとする「動き」が、出てきています。
しかし一方では、科学的実証は、スピリチュアルという物質ではない存在を対象にできないという「考え」もあります。科学的実証は、物質を対象とする法則性を説明する事だからです。

大切な事は、実際に病人を治癒してきたという事実の証明である、という考え方があります。そう考えるから、スピリチュアルを求める人が存在するという指摘もあります。この場合では、科学的実証の有無は、それほど重要と判断されていないようです。