本来は、手の手入れ全般を意味する言葉だったマニキュア
インターネット上の英語翻訳サービスで「爪の手入れ」を自動翻訳したところ、「Nail Care」と表示されました。
だけど以前に、「Nail Care(ネイルケア)」は和製英語だと聞きました。
「爪の手入れ」を意味する英単語で、他の単語はありますか?
「爪の手入れ」を始め、手の手入れ全般を意味する英単語に、manicure(マニキュア)があります。
日本では、マニキュアと言ったら塗料を思い浮かべますが、
本来のマニキュアの意味は、手の手入れ全般という意味でした。
ネイルケアとマニキュアの違いを知っておくと、役立つ場面があるかもしれません。
ちょっと覚えておきましょう。
本来は、手の手入れ全般を意味する言葉だったマニキュア
爪のお手入れのことを、一般的にネイルケアと言います。
しかしこの言い方は、「爪のNail」と「手入れのCure」を合わせた和製英語です。
※ネット上の英語解説サイトなどで調べたところ、
爪の手入れをすることを、to do (one’s) nails や to get (one’s) nails done と表現するようです。
ネイティブの欧米人たちは、「爪の手入れ」の事をマニキュア(manicure)と言っています。
これは、ラテン語から来ています。
manus(手を意味する)と cura(手入れを意味する)から、作られた言葉です。
本来のマニキュアは、手の手入れ全般を意味する言葉でした。
しかし、爪を飾るネイルと聞くと、マニキュアを思い浮かべることが多いでしょう。
日本で使われているマニキュアは、ネイルカラー(爪を装飾し保護するために塗布される化粧品)と、同じような意味で使われています。
現在では、マニキュアは、主に爪に塗るエナメル液やその化粧法を指すことが多い、と言えます。
自動車塗装用のラッカーが元だった、塗料としてのマニキュア
ちなみに現在のような塗料としてのマニキュアは、アメリカで出来ました。
1920年代の自動車塗装用のラッカーが、その元と言えます。
マニキュアがアメリカで最初に販売されたのは、1920年代後半から1930年代初頭と考えられています。
当時、自動車用のラッカー塗料が発明されて、その技術が、塗料としてのマニキュアにも応用されるようになりました。
最初のマニキュアは透明で、爪の表面をツヤツヤに仕上げるものでした。
やがて色付きのマニキュアも登場して、女性たちの間で流行し始めました。
1932年には、有名な化粧品ブランド「レブロン」が創業し、マニキュアを大量生産するようになりました。
レブロンは、マニキュアの色と口紅の色を揃えるという斬新なコンセプトを打ち出し、大ヒットしました。
こうしてマニキュアは、アメリカの女性たちのファッションに欠かせないもの、となっていきました。
昔の自動車塗装用のラッカーと違う、現在のマニキュア
マニキュアは自動車塗装用のラッカーから発展した物ですが、同じ物ではありません。
現在のマニキュアは、当時の自動車塗装用のラッカーとは、成分や性能が異なります。
マニキュアの主成分は、以下の物で構成されています。
- 合成樹脂(アクリルなど)
- 顔料
- 有機溶剤
- 可塑剤(かそざい)
以上の物から構成されたマニキュアは、空気に触れると乾燥して固まります。
また、マニキュアの原料を工夫することで、ラメ入りの物、光沢がある物などが製造されています。
一方、自動車塗装用のラッカーは、耐候性や耐久性に優れた塗料です。
この塗料を高温で焼き付けることで、硬化させます。
また、自動車塗装用のラッカーを使用する際は、マニキュアよりも厚く塗る必要があります。
爪を保護する効果を期待できる「塗料のマニキュア」
塗料のマニキュアについては、「ファッション」や「おしゃれ」の目的で使用することが多い、と思います。
そんな「塗料のマニキュア」は、爪を保護するという効果も期待できます。
そういうことより、爪が割れることを防ぐために、スポーツ選手が「塗料のマニキュア」を使っているそうです。性別を問わず、使われています。
例えば野球やゴルフ、重量挙げの選手たちが、「塗料のマニキュア」を使ったりしています。
「塗料のマニキュア」と似ている言葉、ポリッシュ
「塗料のマニキュア」について調べていると、ポリッシュという言葉と似ていることに、気づきました。
ポリッシュとマニキュアという言葉は、一般的には、同じ意味で使われていました。
ですが、厳密には違いがありました。
ポリッシュはマニキュアの一種であり、爪に塗る液体のことを指します。
ポリッシュは爪に色を付ける液体のことなので、ネイルカラーやネイルラッカーとも呼ばれています。
マニキュアはポリッシュに加えて、ベースコートやトップコートなどの他の製品も含みます。
また、ポリッシュは通常、色や光沢が付いています。
それに対して、マニキュアは透明や半透明の物もあります。
さらに、ポリッシュは爪を飾るだけの物ですが、
マニキュアは爪を保護したり強化したりする効果も、あります。
したがって、ポリッシュとマニキュアは似ていますが、同じではありません。
しかし現在では、マニキュアという言葉が、ネイルカラーの代名詞として定着しています。
そのため、ポリッシュを塗ることを「マニキュアを塗る」と言うことが多いです 。