肌荒れ改善策の一つ・漢方薬

「気・血・水」の乱れによる肌荒れ

漢方薬

「肌荒れ」の改善策として、中国4千年の歴史から生まれた漢方があります。漢方とは中国から伝来した物で、草根木皮(そうこんもくひ)や動物類を原料とした漢方薬を使った医療のことを言います。

漢方においては、「肌荒れ」は単に皮膚だけの問題でなくて「気・血・水」のバランスが乱れることによって起こる、と考えられています。なので全身の体調を整えて体質改善を図るなど、体の内側から治療していくことを重要としています。

「気・血・水」については、以下の通りです。

  • 「気」は、エネルギーを示します。「精神的な働き」も意味しています。
  • 「血」は、血液自体や、血流・血行という循環の事を言います。
  • 「水」は、体の大半を占める血液以外の水分と代謝のことを言います。

これら3要素が体内を順調に循環している状態を、漢方では健康と言っています。

なお、漢方の考え方では、精神的なストレスがなくて、血行や血流、体に大切な水分が正常な状態であれば、「肌荒れ」が起きたり「病気」になったりすることはないとされています。

ストレスと肌荒れ

肌の状態は、思ったよりもメンタル面が影響を与えています。ストレスが溜まれば、それが原因で「肌荒れ」が起きます。気持ちの余裕がない生活を送っていると、スキンケアをする余裕もないでしょう。そんな状態では、肌の元気がますますなくなってゆきます。

肌のためには、常にリラックスした状態でいることが一番です。しかし現実には、一日中リラックスすることは難しいでしょう。
なので、一日の間にリラックスタイムをしっかり作りましょう。深呼吸するだけでも良いです。酸素をしっかり取り込むことで、血流を良くできます。それがスキンケアに繋がります。
休憩時間などに、窓を開けて深呼吸しましょう。そうするだけでも、肌の状態を改善できる可能性があります。

蕁麻疹の治療にも効果を期待

漢方薬は肌トラブルの一つである蕁麻疹(じんましん)の治療にも、効果を期待できるとされています。なぜなら漢方薬には、体の不健康を改善してゆく効果を期待できるからです。蕁麻疹のような皮膚のトラブルは、不健康が原因である場合があります。つまり不健康の症状の一つとして、蕁麻疹という症状がある訳です。

漢方薬による治療は、基本的に体質を良い方向に整えることと言えます。即効性はありません。ですが体質を改善することは、症状の改善に繋がります。もちろん「かゆみ」が激しい場合は、西洋医学の抗ヒスタミン剤を併用しても良いです。西洋医学と漢方薬のそれぞれの良い面を使って、蕁麻疹の症状を改善して行けばいいと思います。

ちなみに漢方薬は、健康保険の適用を受けられます。その場合、漢方薬に精通した専門医の指導の下で服用することになります。自分勝手な判断で漢方薬を飲んだ場合、かえって蕁麻疹の症状が悪化する可能性もあります。

ずっと症状が改善したまま

最後に漢方薬が持っているメリットでよく言われている事を言うと、症状が改善した後、漢方薬を飲むのを止めても症状は改善したままである、ということです。
体質が良い方向に変化しているので、薬を飲むのを止めた途端に症状は悪くならないそうです。そう言う意味では、時間は掛かるけれども根本的に「肌荒れ」を治したい場合、漢方薬による治療という選択肢も魅力的です。

なお、「肌荒れ」に効く漢方薬はどんな物か、わからない場合が多いと思います。そんな時は、専門医に相談しましょう。