恋愛心理学から学ぶ「好きになるメカニズム」

長所から好きになる?

ある恋愛心理学の本には、人の印象は「長所から短所」を紹介するほうが良い印象を持たれやすい、と書かれていました。
確かに、第一印象で全てが決まってしまう事が多い、と思います。
よって、人に好きになってもらうためには、まずは自分の長所をアピールすると良いと思います。

しかし経験上では、その反対のパターン「短所から長所」を紹介した時に、良い印象を持ってもらえた事もありました。
そして相手に対しても、当初はマイナス・イメージだったけれど、その人の性格の中に良い部分が見つかると、いつの間にか好きになっていた事もありました。

ただしこの場合は、時間が掛かります。一度しか会えない人などの場合は、やはり第一印象で決まってしまうでしょう。

なお、ありのままの自分を好きになってくれる人がいるなら、第一印象について、そんなに気にし過ぎる必要もないと思います。自分を無理して飾っていても、どこかで見破られてしまうからです。

好きになる「3つの条件」

「好き」という思い、恋愛感情が発生するためには、次の3つの条件が必要であると考えられています(ハットフィールド氏の研究による)。

  1. 架空の話や現実の生活などにおいて、若い人々が恋愛を信じる事。そして、恋愛を学ぶ文化の中で育てられる事。
  2. 適切な恋愛の相手が存在する事。
  3. 「これは恋愛である」と解釈できる「情動的な興奮」がある事。

情動的な興奮

特に3つ目に挙げた「情動的な興奮」は、恋愛によって「胸が苦しい」とか「ドキドキする」という状態になることです。

これについては、「情動の錯誤帰属説」という説があります。
ハッキリと原因がわからない「生理的な覚醒や興奮」がある時、側に異性がいるとします。そのような時、その興奮の原因は「異性のせい」だと、間違って思い込むという説です。

吊り橋効果

これについては、有名な吊り橋モデルという考え方があります。
「普通の橋」と、高い所に架けられた「揺れる吊り橋」の両方において、通り掛かった男女にアンケート調査をします。この時、吊り橋の上で「異性の調査者」からアンケートをされた対象者は、調査者に対する好感度が高くなるということです。

これは、高くて不安定な吊り橋にいるためにドキドキしたり緊張したりしている状態を、そのドキドキは目の前にいた「異性のため」だと思い込んでしまったから、と考えられています。

この「情動的な興奮」は、恋愛に利用できると思います。「ジェットコースター」や「お化け屋敷」などに気になる人と行くと、仲良くなれる可能性があります。

「肝試し」をしたカップルが、より一層親密になった。こんな話を聞いた事はありませんか?
実はドキドキさせる心理効果には、恋愛を発展させる効果を期待できます。一般的に、人はドキドキしている心理状態の際、周辺にいる人を好きになってしまうらしいです。

ドキドキさせる「きっかけ」は、何でも良いそうです。「ジェットコースター」でも「吊り橋」でも「お化け屋敷」でも、とにかく「気持ち」をドキドキさせれば良いです。
お互いに好意を持っているカップルなら、ドキドキ効果を期待できるでしょう。特に好きではない人同士の場合でも、今後仲良くなる「きっかけになるかも??」しれません。

ただしドキドキさせるイベントの内容には、十分に注意しましょう。万が一、相手に嫌な思いをさせてしまったら(不快な思いをさせてしまったら)、仲良くなるどころか仲が悪くなってしまう可能性もあります。

ハプニングを解決して好きになる

人はハプニングに直面すると、ストレスホルモンを分泌します。そのストレスを解決するために、恋愛感情を引き起こすということが実は多いです。

もしも「恋の始まり」において2人がストレスの掛かる状況下に置かれた場合、2人一緒にそれを解決しようという意識が働きます。

よって「恋の始まり + ハプニング = 恋愛が上手くいきやすい」と言われています。

恋愛に利用できる「脳のメカニズム」

恋の始まり・脳内ホルモンPEA

好きな人を見た時、実はホルモンの影響で胸がドキドキします。
恋している状態とは、脳内においてPEA(フェニール・エチル・アミン)というホルモンの濃度が上昇することによって、脳が快感だと示している状態のことです。

また、ドーパミン・オキシトシン・エストロゲンなどのホルモンとの相互効果により、相手と一緒にいたいと思います。性欲が高まる状態にもなります。
PEAというホルモンは「恋の始まり」に欠かせない物です。

このPEAですが、精神的に不安定な状態の時だけ分泌される、という性質があります。ドキドキする環境で出会ったカップルは恋に落ちやすい、と言われています。これはPEAと関係があるようです。
つまり、お互いに不安や緊張を感じることが、二人の関係が恋に発展することに必要なのです。

そして安定した「愛」に変わります

恋する女性のハート

しかし「緊張」や「不安定」をずっと感じながら一生過ごすということは、不可能だと思います。カップルにとっては、不安な状態を維持するのは大変です。

PEAは「恋するホルモン」です。カップルになった後は、「恋」を「愛」に変えていく作業が必要です。

「恋」は精神が不安定で、緊張している時に成り立つものです。
しかし「愛」は、精神が安定している時に成り立つものです。
「ずっとドキドキする恋愛がしたい」という望みは、いつもストレスと緊張の中にいる状態を望むことを意味します。これでは疲れてしまって、長くは続きません。

自分たちカップルは今どこの位置にいるのか、「恋」なのか「愛」なのか、よく確かめておきましょう。

わざと「愛」を不安にさせた場合

「愛」と「恋」は、やはり違うものです。
違うものなのに、愛を深めている二人が「ここ最近ドキドキしていない」と思い、わざと相手を不安にさせる行為を行なう場合があります。その結果、別れてしまうこともあるそうです。

心理学を100%信じる必要はありません。ですが、無理やり相手を不安にさせる事は、やめたほうが良いでしょう。

意外なところにある、好きになる「きっかけ」

新しい恋が始まるタイミングは、人それぞれです。気になる人ができた時や、告白された時など、何かの「きっかけ」がある、と思います。

それでは、女性が新しい恋愛を予感するのは、どんな「きっかけ」でしょうか。

例えば、男性が自分のことをずっと見てくれていると、自分は特別な存在だと感じます。
男性が、自分と目を合わせて微笑んでくれると、ドキッとしますよね。お互いに興味があれば、彼を目で追うことになります。そして、相手の「目の輝き」を確認したりするでしょう。

男性の何気ない「特別扱い」が恋に発展したりします。
ある男性は、あなたが仕事で困っていたら、助けてくれました。もしかして、私が特別な存在だと思われているから?そう期待したりします。

普段は見せない「男性の優しさ」が、恋の「きっかけ」になったりもします。女性が「新しい恋」を意識する出来事は、意外なところにあるようです。