心理学から見る、親子関係と恋愛

結婚相手を選ぶ時、親子関係が影響していたなんて、知りませんでした。

心理学から見ると、両親から受け取ってきたものが、パートナーを選ぶ基準に影響を与えています。

例えばパートナーに対して、理想の親像を求める場合があります。

「パートナー選び」に影響を与える親子関係

私たちが恋愛や結婚において相手を選ぶ時、自分の親子関係がとても影響しています。

両親から受け取ってきたものが、私たちの物事に対する選択基準に影響を与えています。

そして「パートナー選び」については、次の2点の傾向があります。

  • 子ども時代に親から受けた傷を癒して欲しい、と思う。
  • パートナーに対して、子ども時代に失った自己を見出してパートナーを理想化する。
すれ違う親子
すれ違う親子

子ども時代に親から受けた傷を癒して欲しい、と思う

パートナーに対して、理想の親像を求めます。

例えば厳格な親の場合は、優しいパートナーを求めます。
無口で楽しくない親の場合は、よく話す楽しいパートナーを選んだりします。

パートナーに対して、子ども時代に失った自己を見出してパートナーを理想化する

子ども時代に「自分は、こうありたかった」という事や現在の理想像を、パートナーに対して求める場合があります。

  • 親の「しつけ」が厳しかった人が、天真爛漫な人に魅かれたりする。
  • 性的に厳しく育てられた人が、大胆なセクシャリティ-に魅せられたりする。

親子関係によって傷ついた自己や失った自己を、恋愛関係によって回復させようとします。

無意識で選択することがある、親と似たパートナー

また、私たちは無意識のうちに、自分の親と似たパートナーを選択することがあります。

人間は、習慣の生き物です。慣れ親しんだ環境に対して、愛着があります。
そのため無意識のうちに、親や家庭環境が似ているパートナーに魅かれてしまう傾向があります。

例えば、幼児時代に両親が家にいることが少なくて「寂しい思い」をした人は(寂しい家庭環境の場合)、

  • 「面倒み」がいい人を相手として選びたい、

と思うことがあります。

あなたは、家にいない両親に代わって弟妹(ていまい)の面倒を見ていた、とします。
こんな時、あなたと同じように弟妹の面倒を見ていた人を、結婚相手に選んだりします。

娘が父親そっくりの異性と付き合う事例

別の選び方になりますが、私たちはパートナーを選ぶ時に、自分と性別が違う親(異性の親)を見て、こんな人をパートナーとして絶対に選びたくないと思う時があります。

例えば、だらしのない父親がいます。
娘は、そんな父親を軽蔑しています。

しかしその娘が、父親そっくりの異性と付き合うことがあります。

この場合、両親の関係を考えてみると、だらしのない父親には、彼を支える母親がいます。

母親が「だらしない父親」を世話している点について、仮に娘が価値を見出していたなら、

  • 娘はそういう価値観を無意識のうちに受け取っている、

と考えられます。

娘が、母親の「ひたむきさ」や「頑張り」について素晴らしいと判断して、それを自分の中に取り込んでいる可能性があります。

母と娘
母を尊敬している娘

パートナーに対して、親の価値観を押し付ける事

ところで親の影響によって、私たちがパートナーを追い詰める場合があるそうです。

私たちは親から自分の存在を認めてもらうため、親の要求を満たすように成長します。
もしも親の要求によって傷ついた時、親とは正反対の性格のパートナーを欲しいと考えます。

しかし私たちは、親の要求に応えることが、親から存在を認めてもらえる「ただ一つの方法」でした。

よって無意識のうちに、自分自身で親の価値観を受け入れて、パートナーが「その価値観の通り」に行動する事を押し付ける場合があります。

※パートナーがあなたの親みたいに行動する事を、あなたが要求する場合があります。

以上のように、親子関係は恋愛に対して影響を与えていると言えます。