ピアノの上達に役立つ「ピアノ練習曲」

練習用楽譜の選び方

ピアノ練習用楽譜

ピアノの初級者が練習する際、興味ある曲慣れ親しんでいる曲の楽譜を使って練習するほうが続けられる、という意見があります。

初級者の定番は古典の曲、だから古典から練習する。以前では、確かにそう言われていました。ですが、古典の曲は「つまらない」と感じてしまう方も多いようです。
続けるためには、CMの曲やアニメの曲などの楽譜も、積極的に使用しましょう。

ピアノ初心者の定番の教則本として、バイエルがありました。以前は積極的に、バイエルが使用されていました。
しかし現在では、バイエルは欠点が多いという指摘があったり、その他にも良い教材が登場してきました。なので、バイエルはあまり使われていないようです。教則本についても初心者だからと言って、バイエルだけに固執する必要はありません。

楽譜の難易度表

楽譜を選ぶ際、その曲の難易度が気になる事も多いと思います。楽譜の難易度については、楽譜出版社が出している楽譜の難易度表を見れば、おおよそわかります。ですが、「個人の感覚」と「その難易度表」がマッチしていない場合も多い、と聞きます。

また、楽譜の出版社によって、難易度表に「違い」があるそうです。同じ曲なのに、難易度が違っている場合があります。なので複数の難易度表を参考にして、その曲の「難しさ」を判断する必要もあります。

ピアノの素人や初心者の場合、楽譜を見ただけで「難しさ」を判断する事は、なかなか出来ないと言えます。やはりピアノの熟練者にならないと、自分のレベルにマッチする難易度の曲をすぐに見つけられないと言えます。
そういう状況より、結局は難易度表を参考にする事になるでしょう

原典版

趣味で気ままにピアノを弾いている人も、専門的にピアノを演奏している人も、「楽譜選び」はとても大切と言えます。楽譜のちょっとした事を知っておくと、希望のものを選べると思います。以下のようなポイントを知っておきましょう。

楽譜には、原典版と校訂版、または実用版と標準版というものがあります。
例えば原典版とは、当時に作曲者が作曲したままの楽譜を意味しています(ですが実際のところ、加筆修正されている楽譜もあるようです)。

この原典版では、作曲者を尊重しています。なので出版社や研究者たちが意見したデュナーミク(音量の強弱表現)を、書き入れることはできない楽譜とされています。
なお、「指使い」については、作曲者が書いたものを書き残しています。

有名なピアノ練習曲

ソナチネ

ピアノ学習者の方なら、ソナチネについて聞いたことがあると思います。
ソナチネとは、クラシック音楽のジャンル名のことです。しかし、短い器楽曲のことを言い表すのに使われたりします。つまりピアノ学習者の方でも、おそらく簡単に弾ける曲と言えます。実際に、ピアノを学んでいる人たちに向けて「ソナチネ・アルバム」などがあるそうです。

一般的には、わかりやすくて演奏しやすい短めのソナタのことを、ソナチネと言うそうです。特に古典派音楽以降では、短いソナタのことソナチネと言っています。

ソナチネは、おおまかに「カンタータの器楽合奏の導入曲や間奏のこと」を言い表すのに使われていました。だけど曲の中には、演奏するのが難しい曲や音楽性の高い曲もあるそうです。そして古典派のソナチネと全く違う曲も、存在するそうです。

ヨハネス・ブラームス

ヨハネス・ブラームスさんは、ピアノ練習曲の作曲家としても有名な方です。
そして、なかなか個性的な方だったようです。子供たちにキャンディーをあげる一面があるのに、大人に対しては「なぜか無愛想だった」と伝えられています。相手に「自分の気持ち」を伝える事が、苦手だったそうです。時々周りの人達から、疎遠になったりもしたらしいです(ちょっと芸術家らしい気がします)。

ピアニストとして大変に優れていた彼は、音楽に関しては厳しい一面があったようです。
弟子のグスタフ・イェナーさんが作った曲の出来が悪かった際、容赦ない罵声をあびせたと言われています。ですがその後に、弟子を励ます言葉を掛けていたらしく、厳しくも優しい一面があったと言えます。

その「暮らしぶり」はとても質素だった、と言われています。経済的に満たされていても、質素な生活を好んだそうです。さらに彼自身は質素な生活を送っているのに、親戚たちには金品をたくさん渡していだそうです。そして若い音楽家達を匿名で支援していた、ということです。
ここまでの話を聞くと、かなり「いい人」だと思いました。

フレデリック・ショパン

ピアノ学習者の方で、フレデリック・ショパンのピアノ練習曲を練習している方がいるかもしれません。
ピアノの詩人として有名なショパンのピアノ練習曲は、昔も今も多くのピアノ学習者たちから愛されています
プロのピアニストの中にも、演奏会の前に練習のためにショパンのピアノ練習曲を弾いている方がいるそうです。日々ピアノを練習している方には、ショパンのピアノ練習曲は「かなり役立つ」と言えます。ちなみに、第8番の変ニ長調が最も練習曲にふさわしい、と言われています。

ショパンが作曲したピアノ練習曲は、全部で27曲あります。それらの中には、弾くのが難しい曲もあり、初心者ではとても太刀打ちできない曲もあると聞きます。難しい練習曲によって、ピアノを諦めてしまう「きっかけ」になってしまうかもしれません。ピアノの先生などに相談して、易しい練習曲から挑戦すると良いです。

ちなみに、初歩的なピアノ練習曲の一つに「ツェルニーの100番」があります。ピアノ初心者の方は、こちらの曲で練習することが多いと聞きます。
そして「ツェルニーの100番」が弾けるようになったら、「ブルグミュラーの25の練習曲 Op.100」や「ハノンの60」などが、練習曲として利用されています。その他にも様々な練習曲があります。色々と探してみましょう。

練習曲の選び方の一つに、自分の苦手な指の動かし方を練習するために選ぶ、という選び方があります。先ほど紹介した「ハノンの60」は、指の運動のためによく使われる練習曲と聞きます。自分の課題に合う練習曲を見つけると良いです。

偉大なピアニスト

フレデリック・フランソワ・ショパンは、偉大なピアニストの一人です。それまでのピアノになかった新しいピアノを生み出した偉人と言われています。
彼の作曲のほとんどは、ピアノ独奏曲が占めています。ピアノの詩人と呼ばれている事からもわかるように、それまでの作曲家には見られない、「繊細な音」「きらびやかな音」を使った作曲家です。
彼の作曲したピアノ曲は、現代のピアノ演奏会でも多く演奏されています。色んな所で彼の曲が演奏されているので、ショパンの名はクラシック音楽ファン以外の人にもお馴染みになっています。

なおショパンは、生涯を通して肺結核に悩まされた病弱な音楽家だったそうです。あまり体が強い人ではなかった、と言われています。

上級者向け練習曲

ピアノ練習曲と言われている曲の中には、上級者向けの練習曲があります。より一層上達するためには、上級者向けの練習曲に挑戦すると良いです。

  • バッハの平均律クラヴィーア曲集:第1巻と第2巻など。
  • ショパンの練習曲集:Op.10、Op.25など。
  • シューマンの交響的練習曲:Op.13など。

このような練習曲が、上級者向けと言われたりしています。これらの他にも、練習曲はたくさんあります。ピアノの先生と相談できるなら、今の自分にとって少し難しい練習曲を紹介してもらいましょう。ますますピアノの演奏技術が向上して行く、と思います。

ちなみに上級者向けの練習曲は、初心者向けの練習曲と比べて芸術的と言えるでしょう。練習曲ということより、演奏技術の取得のための曲と言えます。ですが、芸術性を感じさせる曲とも言えます。ピアノ演奏において「さらに上を目指している方」にとって、上級者向けの練習曲は「ぜひ弾いてみたい曲」となるでしょう。

上級者向けの練習曲については、演奏技術を向上できて、さらに他の人にも聴かせられる曲と言えます。よって、一石二鳥のピアノ練習曲だと言っている方もいるそうです。練習曲なのに、それを聴いている人の心にも響くなんて、やはり単なる機械的な練習曲とは違うと言えます。

ピアノ練習曲はたくさんあるので、お気に入りの曲を見つけてください。

リズムの読み取り

新曲の練習を始める際、まずは楽譜からリズムを正確に読み取ることから始めましょう、という指摘があります。ピアノで音を出す前に、リズム通りに両膝を叩く事から始めるほうが良い、という指摘です。
やはり曲のリズムを読み取れない人は、ピアノの鍵盤を正しく叩けないようです。最初の練習だからこそ、正しいリズムを拾って理解する事が大事だそうです。

そうは言っても練習していくうちに、何となくリズムを取れるようになってくる。そういう方もいると思います。ですが、正しいリズムを理解せずにピアノの練習を続けて、途中でリズムが間違っていたと気づいた際、その修正にかえって手間がかかるそうです。
また、いつも自分のカンだけを頼りにリズムを取っている人は、間違っているリズムに対して鈍感になってゆくそうです。間違っているリズムに耳が慣れてしまい、違和感を感じなくなってしまうようです。
リズム感を大切にしつつ、ピアノの練習をしてみましょう。そうすると、さらに演奏が上達すると思います。

弾けると楽しいピアノ

ピアノ演奏中

毎日一生懸命ピアノを練習していたおかげで、以前と比べて上手にピアノを弾けるようになった。初心者から中上級者へ変わって行く事は、ピアノ学習者にとって嬉しい事だと思います。

ですがピアノは、ちょっと練習をサボってしまうと、すぐに弾けなくなってしまう楽器と言われています。実際に、そのようです。もちろん個人差はありますが、演奏が上達してきたなら「より一層ピアノを弾き込む必要がある」ということです。