生理的な口臭の原因

口臭の種類

口臭については、ある観点から「それぞれの種類」に分ける事が可能です。一例を言うと、虫歯や歯周病などの疾患が原因で起こる「病的口臭」、ニオイのキツい食べ物や精神面(ストレス)などが原因で起こる「生理的口臭」に分けられます。

「病的口臭」の場合、虫歯や歯周病、胃腸などの病気が原因の口臭となります。よって、それらの病気を治療して完治させないと口臭も治りません。

一方の「生理的口臭」は、唾液の分泌量が関係していると言えます。唾液の分泌量は日常生活で緊張状態が続いたりすると、減少したりします。日常生活において、よく見られる口臭と言えます。
精神面が原因の口臭と聞くと、ちょっと不思議に思うかもしれません。これは緊張して唾液の分泌量が減る事より、一時的に起こる口臭です。誰にでも発生する口臭であり、口腔が健康な状態であっても発生するものと言えます。

その他の分け方には、「自臭症」と「他臭症」があります。「自臭症」とは、実際には臭っていないのに、口臭があると勝手に思い込んでしまう症状です。口臭恐怖症や精神的口臭とも呼ばれています。
「他臭症」とは、他の人にもハッキリとわかる口臭のことです。先程の「病的口臭」や「生理的口臭」が、これに当てはまります。他人にも気づかれてしまう口臭なので、人間関係などでトラブルの原因となったりします。

生理的な口臭の原因

口の臭いを気にする女性

口臭の種類の一つに、生理的な口臭があります。これは、全ての人が持っているニオイの事です。誰にでもあるものです。

基本的には、本人も他の人も気にならないニオイです。しかし少し不潔な状態だと、悪臭に変わってしまいます。ここで言う不潔な状態とは、歯垢を放っておいた状態や緊張して口が渇いた状態、朝起きた直後や食後3時間後の状態などです。

特に朝起きた時は、口臭はキツいものになっています。なぜなら睡眠中、唾液の分泌量が少なくなり、細菌が繁殖しやすくなっているからです。食べカスの分解や発酵が行なわれたためです。
その他には朝の空腹時に、唾液の分泌量が減少したことも原因となります。朝という時間は、口臭が発生しやすい環境になっています。

以上のような生理的口臭は、誰にでもあることです。なので、心配する必要はありません。ほとんどの場合、「うがい」や「歯磨き」をする、朝食を取る、水分補給をすることによって解消されます。
この生理的な口臭については、物凄く神経質に悩む必要はないと思います。

反対に気にしすぎると、不眠症になってしまったり、ストレス(緊張)を受けることになります。ストレスを受けると唾液の分泌量が抑えられてしまい、さらに生理的な口臭をひどくする「きっかけ」になります。

「唾液の分泌量」の減少

口の中の唾液の分泌量は、口臭と関係があります。唾液には、雑菌を減らして口臭も減らす効果があるからです。よって、日常生活で唾液の分泌量を増やす事口臭対策に繋がる、と言えます。

日常生活においては、あまりしゃべらなかったり、口を開けたまま寝ていたり、強いストレスを受けるのが多かったりすると、口の中が「乾いた感じ」になったりします。このように唾液が少ないと、口臭の原因となります。

ちなみに唾液は口臭の軽減だけでなくて、虫歯や歯周病を予防するのにも役に立ちます。口の健康を保つために、唾液の分泌量は大事と言えます。

歯垢

口臭の原因の一つに、歯垢があります。歯垢とは、歯の表面に付いている白くて柔らかい物質です。プラークとも呼ばれています。食べた後、「歯磨き」をしなかったり、「磨き残し」がある場合、細菌が食べカスを餌にして口内で増殖します。その細菌の塊が、歯垢となります。
この歯垢を除去すること・予防することが、口臭の防止に繋がります。

また、タバコを吸うこと(喫煙)も、口臭の原因となります。タバコには、タール、ニコチン、一酸化炭素が含まれています。これらの成分は、唾液の分泌量を低下させます。なので口の中が、歯垢や歯石の付着しやすい環境となります。そしてこれらの成分は、「歯ぐき」の血行についても悪くさせます。

歯石

口臭の原因の一つに、歯石があります。歯石は、歯垢が石灰化した物です。歯垢が唾液中のカルシウムを吸着して、石灰化します。「歯磨き」をしなかった、または「磨き残し」がある場合、歯垢は約2日間で歯石になります。

虫歯がなくても、定期的に歯科検診を受けて歯石を取ってもらえば、歯垢が溜まるのを防げると思います。時々、専門医に診てもらいましょう。

タバコ

喫煙と口臭について、関係性を指摘する意見があります。大まかな指摘は、「タバコを吸う → 歯周病になりやすい → 口臭」という指摘です。歯周病のリスクについては、タバコを吸う人は、吸わない人と比べて5倍ほど歯周病のリスクが高い、という意見もあるようです。

あとタバコ自体、特有のニオイがあります。ちなみに私はタバコを吸わないため、タバコのニオイに慣れていません。そのため、タバコ特有のニオイに違和感を感じやすいです。なので喫煙者の方が近くにいると、タバコくさいニオイに気づく事が多いです。

タバコを吸う・吸わないの是非はともかく、タバコにニオイがある事は確かな事です。そして「そのニオイ」が口臭の原因になっている事も、確かと言えそうです。
口臭にまつわるトラブルをなるべく起こしたくないなら、タバコを吸わないほうが無難です。

食べ物

口臭の原因の一つに、食べ物が原因で起こる口臭があります。この口臭の特徴は、ニンニクやニラなどニオイの強い食べ物が原因で起こることです。アルコールやタバコも同じです。

食べ物による口臭は、一度体内に取り込まれた「ニオイの元」が胃で消化されて、血液や肺を経由して吐き出されることによって起こる、と言われています。よって「歯磨き」などをして口の中を清潔にしても、臭うことがあります。
ニンニクを食べた場合を考えると、ニンニクのニオイ成分が血液中に取り込まれて、肺から吐き出す息とともに体外へ出て行くことになります。ニオイ成分が胃の中から食道を通り、口の中を経て体外へ出て行く事はないそうです。

あと、胃の調子が悪いと口臭がキツくなる、そんな事を聞いたことがあります。ですが実際のところ、基本的に口臭は口の中から発生しているそうです。胃の内容物が口臭の直接の原因になる事は、やはりないということです。

義歯

口臭の原因の一つに、義歯があります。「義歯(入れ歯)の手入れ」が不十分な場合、口臭が発生します。また、義歯を長期間使い続けている場合、ニオイの原因となる成分が義歯の内部にまで浸透してしまうことがあります。

義歯については、毎日洗浄したり、消毒したりして使うようにしてください。いったん入れ歯に色やニオイが付着すると、ほとんど取れません。気をつけましょう。