血行を良くして健康維持、サポニン

白く泡立つ性質を持つ物

サポニンとは、水に溶かすと「石けん」のように白く泡立つ性質を持つ物質の総称です。
多くの植物の成分には界面活性物質が含まれており、これが水に溶けると泡立ち効果をもたらします。

サポニンの語源は、「石けん」や「泡立ち」を意味する「サポ」という言葉です。ラテン語で「石けん」という意味があるサポという言葉です。ちなみにサポニンは、昔は「石けん」の代わりに洗濯に使われていました。

植物の成分

サポニンが得られる植物としては、キラヤの樹皮、大豆の種子、チャの種子などがあります。
構造的には、サポニンはトリテルペンとステロイド、オリゴ糖が結合した物です。

大豆

サポニンとは、植物の葉や茎、根などに含まれている成分です。「苦味」や「えぐ味」の元となるものです。
大豆、高麗人参や田七人参(でんしちにんじん)、アマチャヅル、キキョウなどに多く含まれています。漢方薬として知られている高麗人参や田七人参の場合、主に根に含まれています。

サポニンは、大豆には大豆サポニン、高麗人参には高麗人参サポニン、黒豆には黒豆サポニンというように呼び名が異なります。その効果にも「若干の違い」があります。

なお、サポニンは大豆に含まれる天然成分なので、豆腐にも含まれているはずです。しかし豆腐の場合は、製造工程でサポニンを除去しています。
サポニンには「えぐ味」や「渋み」があるため、繊細な味を持つ豆腐の場合は除去されています。

期待できる効果

サポニンは乳化剤の一種であり、抗真菌性、抗炎症性、抗アレルギー性、抗高血圧性、抗肥満性、抗インフルエンザ性などの効果がある、とされています。
特に、コレステロール値を下げる効果や、血液サラサラ効果、老化防止効果、ホルモンバランスを整える効果などが知られています。

血流改善

サポニンと言うと、漢方の高麗人参を思い浮かべる人もいるでしょう。
高麗人参や田七人参に含まれるサポニンが血行を良くし、血液が体中を巡りやすくなり、血栓ができにくくなります。

栄養豊富な血液が体内を流れることで、免疫力が向上したり、冷え性の改善や代謝アップ、ダイエットなど様々な効果を期待できます。

サポニンは、体の内外の老化を防ぐ効果も期待できます。中高年の手前で摂取することで、健康な体を維持できるでしょう。目安として、サポニンの摂取は50歳を過ぎたあたりから推奨されています。

副作用

サポニンを摂取する際に気になる事は、毒性と副作用です。
この毒性は、一部のサポニンが持つ界面活性作用に起因すると考えられます。

赤血球の細胞膜が破壊される溶血という症状が出ます。この場合、貧血が起こる可能性があります。
また、破壊された赤血球の一部が、他の臓器に悪影響を及ぼすこともあります。腎臓や肝臓に負担がかかり、正常に機能しなくなったり、他の病気にもかかりやすくなったりします。

最も一般的な副作用は、下痢と嘔吐です。これは、すぐに効果を得たいとサポニンを取りすぎたり、サポニンが体に合わなかったりすることで起こります。

誤解してはいけないのは、すべてのサポニンが毒性を持つわけではないということです。適正な量を服用していれば、ほとんどの方に副作用はありません。

サポニンのサプリメントを購入する前に、アレルギーのある成分が含まれているかどうか、どのくらいの量のサポニンが配合されているか、確認してください。

1日の摂取量

サポニンの1日の摂取量は決まっていません。目安として、大豆のタンパク質の1日の摂取量に合わせて摂取する、と良いでしょう。
例えば1日のタンパク質摂取量を基準にした場合、1日のサポニン摂取量は約60g〜70g程度になるようにします。

健康食品として、サポニンのサプリメントが発売されています。サポニンのサプリなら、1日に必要な量を手軽に取れるでしょう。
サポニンの栄養素を摂取するために、あるいはダイエットするために、このサプリメントを飲む人が多く見られます。

毎日飲んで健康維持

サポニンは、使用する植物によって効果が多少異なりますが、体の健康や美容に役立つと言えます。毎日継続して飲んで、体質改善を行なうと良いです。
特に、糖尿病や脳疾患、心臓疾患などは日本人に多い病気なので、それらの病気を予防するためにサポニンを摂取してみましょう。

古くから万能薬として知られているサポニンは、過剰に摂取したり、間違った方法で摂取したりしなければ、人体に良い影響を与えると期待できます。