DCブランドなど、1980年代のファッション
1980年代のファッションは、個性と革新が光る時代でした。
特にDCブランドは、その斬新なデザインで若者たちの心を掴みました。
ボディコンなど、体のラインを強調するスタイルが流行し、女性らしさを前面に出すファッションが主流となりました。
この記事では、1980年代のファッションの特徴やDCブランドの魅力について、解説します。
懐かしさと新しい発見を楽しみながら、当時のスタイルを振り返ってみましょう。
DCブランドなど、1980年代のファッション

1980年代の日本は、「バブル景気の加速」の影響を受けて、ファッションに対する意識が高まりました。そして、多様なスタイルが花開いた時代でした。
この時代のファッションは、社会的な豊かさと個人の自己表現の欲求を反映しています。
そんな1980年代のファッションについて、ご紹介したいと思います。
デザイナーで個性を主張、DCブランド
1980年代は、DCブランドの時代でした。
DCとは、デザイナー&キャラクターのことです。
代表的なブランドには、以下のものがあります。
- 川久保 玲のコム・デ・ギャルソン
- 山本耀司のワイズ
これらのブランドは、個性的で革新的なデザインを特徴としていました。
なので、若者たちの間で熱狂的な支持を得ていました。
DCブランドが支持を得ていた背景には、当時の若者たちは、自分たちのスタイルを確立するために、ファッションに対して投資していた状況があります。
若年層でも自由に使えるお金があり、ファッションにたくさんのお金を掛けられる時代だった、と言えます。
バブル経済の到来とともに、DCブランドがブームになった頃には、全身を一つのブランドで「まとめるスタイル」も増えました。
全身を一つのブランドで統一することが、ステータスの象徴となったのでした。
以上のようにして、ブランドやデザイナーによって、着る人の個性と自己を主張していました。
体の線を見せる、ボディコン

バブル景気は1980年代の後半になると、加速度を増して行きます。
バブル景気と呼ばれるこの時代は、人々の生活様式や価値観に大きな影響を与えました。
特に、ファッション業界は、この変化の最前線にありました。
社会人の女性がセクシーな大人の女性を目指すため、セクシーなファッションのボディコンスーツを、着るようになりました。
ボディコンとはボディ・コンシャスの略で、女性としての体型を意識するファッション・スタイルです。
ボディコンは、体のラインを強調することで、女性らしさを前面に出すファッションです。
これは、自信とセクシャリティの表現として受け入れられました。
このスタイルは、ミラノコレクションで紹介されたデザインを、さらに進化させたものです。
日本独自の解釈が加わり、より体のラインを際立たせるものとなりました。
ヘアスタイルについては、前髪をカールさせたワンレングスが定番でした。
仕事を終えた女性たちは、このようなボディコン・スタイルでディスコへ繰り出して、注目されました。
DCブランドのルーズなデザインに満足できなかった女性は、ボディコン派になりました。
そしてこのファッションは、急速に広まっていきました。
実際のところ、ボディコンのブームは、1986年から1989年頃まで約3年間続きました。
このブームは、当時の社会における自由な精神と女性の自己実現の願望を反映していた、と言えます。
今振り返ると、ボディコンは、単なるファッションの流行を超えていました。
ボディコンは、当時の日本社会に関するダイナミズムとポジティブなエネルギーを、象徴するものとなっていました。
私立の男子高校生から生まれた、渋カジ
1988年頃は、バブル期の頂点でした。
この頃から、経済的な豊かさがファッションにも反映されました。
カジュアルだけど洗練されたスタイルが、若者文化の中心となりました。
そのファッションスタイルは、渋カジと呼ばれました。
それは、以下のようなファッションです。
- ポロシャツや白のTシャツ
- ストライプシャツやインポート物
- 紺のブレザーやストレートジーンズ
- ヴィトンのバッグ
- 足元はモカシン
ポロシャツや白のTシャツは、気軽に着られる一方で、品質の良い素材を選ぶことで上品さを保ちました。
海外ブランドのインポート物は、国際的なセンスを加えることで、ファッションに新たな次元をもたらしました。
紺のブレザーとストレートジーンズの組み合わせは、クラシックだけど、現代的な印象を与えます。
ヴィトンのバッグやモカシン(※)といったアイテムは、その時代のステータスシンボルとして機能しました。
(※)モカシンとは、もともとはアメリカ先住民が履いていた靴です。1枚革で、足を包むようなスリッポン状の靴のことです。
この「渋カジのファッションスタイル」は、私立の男子高校生が流行らせたものでした。
渋谷区、世田谷区、港区など、東京の山の手線沿線にある「有名私立の男子高校生」から、「渋カジ」は生まれました。
このファッションスタイルは、自由だけど品格を重んじる若者たちの価値観を、象徴していました。
再びボディコンスーツが流行る時代が、来るかも?
時代と共に、流行は変わって行きます。
でもファッションの流行は、多少の違いはあるけれど、繰り返されていることが多いです。
なので、もしかしたらボディコンスーツが再び流行り出す時代が、やって来るかもしれません。