飛沫の拡散を防ぐ不織布マスク

不織布マスク

不織布マスクは、病気や感染症の予防対策として注目されています。

不織布(ふしょくふ)とは、繊維を織らずにさまざまな方法で結合させた物です。マスクやカーペット素材、ティーバッグ、紙おむつなど、多くの用途で使われています。
異なる繊維を組み合わせることで、「厚み」や「隙間」を自由に変えることができます。

不織布マスクは、粒子や飛沫の捕捉に優れており、通気性もあります。花粉症が出現して以来、広く普及して、現在では市販されているマスクの約97%を占めている、と言われています。

不織布マスクの種類

不織布マスクには、大きく分けて「プリーツ型マスク」と「立体型マスク」の2種類があります。

プリーツ型マスクは、プリーツ構造になっており、プリーツを上下に伸び縮みさせることで顔にフィットさせることができます。口元が動いてもマスクがずれにくいです。

立体型マスクは、顔の輪郭に沿っているため、マスクが顔にフィットします。マスクと顔の間の隙間が少なくなります。
女性の場合は、「口紅の汚れ」がうつりにくいです。

不織布マスクの用途

市販の不織布マスクには、風邪用と花粉用の2種類があります。

「ウイルスを含む飛沫の大きさ」は、5マイクロメートルほどです(1マイクロメートルは1/1000ミリ)。
一方、「花粉の大きさ」は20〜30マイクロメートルほどです。
つまり風邪用のマスクのほうが、ホコリやウイルスを含む飛沫を防ぐことができます

花粉用のマスクは、風邪用のマスクよりも息がしやすいです。
マスクをしている際、「呼吸のツラさ」が気にならない場合、風邪用を選ぶと良いでしょう。

毎年冬に流行するインフルエンザに備えるために、不織布マスクを備蓄しておきましょう。インフルエンザのパンデミックが発生したら、マスクが足りなくなる可能性があるからです。

不織布マスクの使い方

病気の感染防止対策として有効な不織布マスクは、1日1回程度使用します。原則として使い捨てのマスクです。

マスクのフィルターは、ウイルスや細菌などの病原体で汚染されている可能性があります。なので、使用中のマスクを再び装着する時は、なるべくマスクに触らないようにしてください。

付け方

不織布マスクを着用する際は、使用説明書を読み、それに従ってください。
よくある付け方を、以下に書きます。

まず、鼻、口、あごをマスクで覆います。特に鼻と口を、しっかりとカバーしてください
プリーツ型マスクでは、プリーツを上下に伸び縮みさせることで鼻と口を覆うことができます。

また、鼻の部分は隙間がないように顔にピッタリと合わせるように調整します。

外し方

マスクを外す時は、表面に触れないように外し、ビニール袋に入れて密封して廃棄してください。
マスクを外した後は、手や指にウイルスがくっついて残っている可能性があります。石鹸で手洗いするのを忘れないようにしましょう。

不織布マスクを適切に使用することは、病気の感染防止に繋がるでしょう。

なお、子供用の不織布マスクもあります。小さな「お子さん」が不織布マスクを使用する場合は、親などの大人が正しく着用させるように指導してください。

マスクで感染を防げません

不織布マスクを着用しても、飛沫の吸入を完全に防ぐことはできません
より効果的な感染予防策は、症状のある人に近づかない、人混みを避ける、手を洗うなどです。

「咳」や「くしゃみ」などの症状が出ている罹患者(りかんしゃ)は、周囲の人への感染を防ぐために屋外での活動を控えてください。
どうしても外に出なければならない場合は、ウイルスや細菌を含んだ飛沫の拡散を防ぐために不織布のマスクを着用してください。