「美味しさ」を引き出す「紅茶の入れ方」

ゴールデンルール

紅茶

紅茶の基本的な入れ方に、ゴールデンルールというものがあります。
ゴールデンルールに基づいて、美味しい紅茶を作りましょう。

必要な道具

  • ティーポット
  • ティースプーン
  • 茶こし
  • カップ

紅茶の入れ方

  1. 汲みたての水を、「やかん」で沸騰させます。
  2. お湯が沸いたら、ポットとティーカップに「お湯」を注いで温めます。
  3. ポットが温まったら、ポットの「お湯」を捨てて、茶葉を入れます。
  4. ポットに、「やかん」の「お湯」を勢いよく注ぎます。
  5. お湯を注ぎ終わったら、蓋をして蒸らします。なお、蒸らす時間は茶葉によって異なります。
  6. 蒸らし終わったら、ポットの蓋を押さえて横にぐるぐる回します。「紅茶の濃さ」を均一にするためです。
  7. 「茶こし」で茶葉をこします。ポットを小さく回しながら、カップに注ぎます。「紅茶の濃さ」を均一にするためです。
  8. 最後の一滴は「ベスト・ドロップ」と言われています。なので最後まで、紅茶を注ぎきってください。

紅茶の1杯分の水の量は、約150ccです。
茶葉の量は、ティースプーン1杯(2g~3g)× 人数分です。

1人用のティーポットの容量は、約300ccです。
1杯分だけ作る場合でも、お湯の量は300cc以上にしてください(2杯分作ってください)。お湯の量が少ない場合、茶葉の旨味を引き出せないからです。

美味しい紅茶を入れるためには、次の3つのポイントも知っておきましょう。

  1. 汲みたての水から、お湯を作ります。汲みたての水は、空気が多く含まれているからです。
    お湯が沸騰したら、その沸かしたての「お湯」で紅茶を入れてください。
  2. 茶葉を十分に蒸らしてください。
    なお、蒸らす時間は茶葉によって異なります。
    蒸らしている間は、ティーコジー(保温カバー)やティーマットなどで保温します。温度を下げないことは、美味しくするのに大切です。
  3. ポットは陶器か銀製の物を使用します。
    鉄製の物は、絶対に使わないでください。

完璧な紅茶の入れ方10か条

改めてゴールデンルールとは、美味しい紅茶を入れるための伝統的な方法です。

このゴールデンルールは、英国王立化学協会によって科学的に証明されました。
協会が、2003年6月24日に「一杯の完璧な紅茶の入れ方10か条」を発表して、証明しました。その際、使用された茶葉は、アッサム紅茶のOP(等級区分)でした。

現代版のゴールデンルールとも言える「10か条」を、ご紹介したいと思います。
その内容は、昔からあるゴールデンルールとほぼ同じです。

  1. 新鮮な軟水を「やかん」に入れて火にかけます。
  2. お湯が沸くのを待っている間に、陶器のティーポットに1/4カップの水を入れて、電子レンジで約1分ほど加熱します。
  3. お湯が沸騰したら、電子レンジで加熱したティーポットの中の水を捨てます。
  4. 紅茶1杯につきティースプーン1杯の茶葉を、ティーポットに入れます。
  5. 沸騰させた「やかん」の「お湯」を、ティーポット内の茶葉の上に注ぎます。
  6. 3分ほど蒸らします。
  7. 陶器のティーカップを用意します。お気に入りの「湯呑み」を、用意しても良いです。
  8. まず冷たいミルクをカップに注ぎ、次に紅茶を注ぎます。紅茶がコクのある美味しそうな色になるまで、注ぎます。
  9. 最後に砂糖を入れると、味が引き締まります。
  10. 60℃~65℃の温度で、紅茶を飲みます。
    これよりも熱いと飲みにくく、すすりながら飲むことになります。不快な音がするので、やめましょう。

ミルクを入れる順番は?

以前イギリスにおいて、紅茶にミルクを入れる順番に関する論争があったそうです。
先にミルクを入れる(Milk in First=MIF)、
後にミルクを入れる(Milk in After=MIA)、
どちらが美味しい紅茶の入れ方であるか?という論争です。

論争の結果に関しては、科学的には「先にミルクを入れる(MIF)」が美味しい紅茶の入れ方となりました。その理由は、牛乳のタンパク質の熱変性を起きにくくできる入れ方だからです。
「後にミルクを入れる(MIA)」とタンパク質の熱変性が起きやすくなり、紅茶の風味が失われるということです。よって「先にミルクを入れる」ほうが美味しい、とされました。

私はミルクを入れる順番について、今まで考えた事がなかったです。「美味しさ」にこだわる紅茶愛好家たちの情熱に、ちょっとびっくりしました。