それぞれの栄養に違いがある、緑黄色野菜と淡色野菜
緑黄色野菜と淡色野菜で、栄養の違いはありますか?
βカロテンを豊富に含む野菜を、緑黄色野菜と言います。
緑黄色野菜は、以下の栄養が豊富です。
- βカロテン
- ビタミンC
- ビタミンK
一方、βカロテンが少ない野菜を、淡色野菜と言います。
淡色野菜は、以下のような栄養があります。
- 水溶性食物繊維
- ビタミンC
- 硫化アリル
緑黄色野菜と淡色野菜、両方の野菜を食べたら健康維持に役立ちます。
それぞれの栄養に違いがある、緑黄色野菜と淡色野菜
野菜と言うと、健康な食生活には欠かせない食材です。
なので、野菜を十分に取ることは、健康でありたい人なら誰でも気になることです。
そんな野菜には、どのような栄養成分が含まれているでしょうか?
緑黄色野菜と淡色野菜の栄養について言うと、色素の種類や含有量によって栄養価が異なります。
緑黄色野菜は、カロテノイドと呼ばれる色素を多く含んでいます。
その中でもβカロテンは、プロビタミンAとして知られています。
プロビタミンAは、体内でビタミンAに変換される物質で、視力や粘膜の健康に必要です。
淡色野菜は、カロテノイドをほとんど含まないか、または含有量が少ないです。
そのため、βカロテンの量は、緑黄色野菜に比べて低くなります。
しかし、淡色野菜にも、他の栄養素は豊富に含まれています。
ここでは緑黄色野菜と淡色野菜それぞれの栄養について、ご紹介したいと思います。
βカロテンなど、緑黄色野菜の栄養
まずは、緑黄色野菜についてです。
緑黄色野菜は可食部100g中に、βカロテンを600マイクログラム以上、含有する野菜のことを指します。
緑黄色野菜には、例えば以下の物があります。
- アスパラガス
- かぼちゃ
- 小松菜
- しそ
- とうがらし
- トマト
- にんじん
- ピーマン
- ブロッコリー
- ほうれん草
- モロヘイヤ
ちなみに、トマトやピーマンなどは、βカロテンの含有量は足りませんが、緑黄色野菜と定義されています。
食べる回数や量が多いためです。
緑黄色野菜には、以下のような栄養が豊富に含まれています。
- βカロテン
- ビタミンC
- ビタミンK
- 葉酸
- カリウム
- 食物繊維
体内でビタミンAに変換される、βカロテン
緑黄色野菜に含まれているβカロテンは、体内でビタミンAに変換されます。
ビタミンAについては、もしも不足すると視力障害などが起こります。
ビタミンAは、目の光感受性細胞の機能を維持するために必要な栄養素です。
また、ビタミンAには、胃腸や気管支などの粘膜を正常に保ち、皮膚を作る役割があります。
そして「がん」や「老化」の防止にも、効果があります。
βカロテンについては、強力な抗酸化作用を持っています。
抗酸化作用によって体内の活性酸素を除去することで、細胞の老化や、病気の原因となる体へのダメージを防ぐ働きがあります。
βカロテンは、免疫機能の向上にも役立ちます。
免疫機能の向上は、体内に侵入した病原菌を排除する場合などで、重要です。
βカロテンは、紫外線による皮膚のダメージを軽減する効果がある、とされています。
体の免疫力を高めるなど、ビタミンC
緑黄色野菜に含まれているビタミンCは、以下の作用があると言われている栄養素です。
- 体の免疫力を高める。
- 風邪の予防。
- ウイルス撃退。
免疫力向上などの他にも、がん予防の作用もあります。
その作用はビタミンEと共に取る事で、さらに向上します。
他にも、以下の作用を期待できます。
- 血中コレステロール値を低下させる作用。
- 動脈硬化に繋がる過酸化脂質が作られるのを抑える作用。
また、コラーゲンの生成にも関与しており、「しみ・そばかす」の予防や美白など、美容にも効果があります。
ビタミンCが不足しがちな人
ビタミンCについては、以下のような人は不足しがちと言われています。
- ストレスを受けている人。
- 血中コレステロール値が高めの人。
- 愛煙家の人。
なのでこれらの人は、ちょっと多めにビタミンCを取るように心掛ける、と良いです。
ビタミンCの取り方は、緑黄色野菜を食べると良いです。
緑黄色野菜は低カロリーで、他のビタミンも含んでいるからです。
毎日、緑黄色野菜を食べるようにしましょう。
血液の凝固を助けるなど、ビタミンK
緑黄色野菜に含まれているビタミンKは、以下のような健康効果を期待できる栄養素です。
ビタミンKは血液の凝固を助けて、出血を止める効果があります。
これは、血液凝固因子の生成を促進することによって実現されます。
ビタミンKは骨の健康をサポートして、骨密度の維持に役立ちます。
特に、骨粗しょう症の予防や改善に効果がある、とされています。
ビタミンKは心臓血管の健康をサポートして、血管壁の健康を守るために重要な役割を果たします。
血管の柔軟性を高め、動脈硬化や心臓病のリスクを軽減する効果が期待されています。
ビタミンKには、抗酸化作用があります。
細胞の酸化ストレスを軽減することで、細胞の健康維持に役立ちます。
胎児の発育に重要な役割を果たす、葉酸
緑黄色野菜に含まれている葉酸は、特に妊娠初期の胎児の発育に重要な役割を果たす、と知られている栄養素です。
また、葉酸は、赤血球の生成やDNAの合成にも関わっています。
利尿作用があるなど、カリウム
緑黄色野菜に含まれているカリウムという栄養は、多くの野菜に含まれている栄養素です。
カリウムは体内の塩分量を調整して、利尿作用があります。
他にも、以下のような作用があります。
- エネルギー代謝の活性化。
- 「タンパク質を作る働き」への作用。
- 神経・筋肉の機能を正常に保つ働き。
体内でカリウムが増えると、血圧が下がります。
不足すると、インスリンの分泌を抑制します。
そうなると満腹感を感じることができなくなり、「肥満の原因」や「むくみ」「血圧の上昇」を招いてしまいます。
便通を促進する効果など、食物繊維
緑黄色野菜には、食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維においては、以下の作用が期待されています。
- 便通を促進する効果。
- コレステロール値を低下させる効果。
- 腸内環境を整えることで、免疫力を高める効果。
緑黄色野菜に含まれている食物繊維の種類には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。
水溶性食物繊維は、コレステロール値を低下させる効果が期待されます。
不溶性食物繊維は、便通を改善する効果を期待できます。
腸内環境を整えることについては、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維のどちらにも効果を期待できます。
なお、どちらかと言うと、水溶性食物繊維の方が、腸内環境を整える効果があると言えます。
水溶性食物繊維は、大腸のビフィズ菌や酪酸菌などの善玉菌のエサになるからです。
他にも、水溶性食物繊維はミネラルの吸収を良くして、食物の消化吸収を穏やかにする作用があります。
茹でた料理で食べる、緑黄色野菜の食べ方
もしも緑黄色野菜をたっぷり食べたいなら、茹でた料理で食べると良いです。
個人的にも、野菜は生のままだとたくさん食べにくいと思います。
野菜は、茹でたほうが食べやすいです。
なお、ビタミンCを取るために食べる場合は、調理による損失を考慮して、野菜を多めに取る事を意識しておきましょう。
ビタミンCは、「加熱」や「水洗い」という調理時に失われやすいとされています。
ビタミンや酵素の摂取を考えたら、緑黄色野菜を生で食べる
緑黄色野菜は、生で食べることで、栄養素を最大限に摂取できます。
緑黄色野菜を生の状態で食べることで、ビタミンや酵素を壊さずに摂取できます。
よって、サラダやスムージーで緑黄色野菜を食べるのは、良いことです。
サラダの場合は、緑黄色野菜を生の状態で食べます。
スムージーの場合は、緑黄色野菜をミキサーやジューサーで処理して食べます。
どちらの食べ方も、緑黄色野菜の栄養素を効果的に摂取できます。
水溶性食物繊維など、淡色野菜の栄養
淡色野菜とは、緑黄色野菜以外のβカロテン含有量が少ない野菜を指します。
淡色野菜には、例えば以下の物があります。
- かぶ
- キャベツ
- ごぼう
- さつまいも
- じゃがいも
- セロリ
- 大根
- 玉ねぎ
- ナス
- 白菜
- もやし
- レタス
栄養素については、淡色野菜によって様々です。
腸内環境を整える、水溶性食物繊維
淡色野菜には、水溶性食物繊維が豊富に含まれています。
水溶性食物繊維は、腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える効果があります。
また、水溶性食物繊維は、コレステロールや血糖値の上昇を抑える働きもあります。
免疫力の強化に役立つ、ビタミンCなど
淡色野菜には、ビタミンCやビタミンKも多く含まれています。
ビタミンCは、コラーゲンの合成や免疫力の強化に必要なビタミンです。
ビタミンKは、血液の凝固や骨の形成に関与するビタミンです。
抗菌作用がある、硫化アリル
淡色野菜には、硫化アリルという成分も含まれています。
硫化アリルは、ニンニクや玉ねぎなどに特有の辛味成分です。
硫化アリルには、血液をサラサラにする効果や抗菌作用があります。
免疫を高める作用がある、淡色野菜
淡色野菜は、主に体の調子を良好にする役割を持っています。
細菌などから体を守る働きをする白血球やマクロファージと、野菜との関係についての研究がありました。
その研究からは、
緑黄色野菜よりもキャベツや大根という淡色野菜のほうが、免疫を高める作用がある
という事がわかっています。
体の免疫力を活性化、硫黄化合物
淡色野菜に含まれている硫黄化合物には、
体の免疫システムを活性化させて、「がん」や「生活習慣病」の予防に効果がある、
とされています。
硫黄化合物には、強い刺激臭があります。
そのニオイの成分が強力な抗酸化作用を発揮する、とされています。
免疫力を向上、硫化アリル
硫化アリルは、以下の淡色野菜に含まれています。
- ねぎ
- 玉ねぎ
- らっきょう
以下の効果が認められています。
- 免疫力向上
- 疲労回復
- 「がん」や「生活習慣病」の予防
淡色野菜に含まれている硫化アリルには、体の免疫システムを活性化させて、免疫力をアップさせる効果がある、とされています。
生で食べるなど、淡色野菜の食べ方
淡色野菜の食べ方については、緑黄色野菜の食べ方と同じと言えます。
淡色野菜を、生で食べる
淡色野菜は、生で食べることで栄養素を最大限に摂取できます。
淡色野菜を生の状態で食べることで、ビタミンや酵素を摂取できます。
淡色野菜を、蒸す・煮る・炒める
淡色野菜は、蒸す、煮る、炒めるなどの調理方法でも、美味しくいただけます。
これらの調理方法によって、野菜の食感や風味が変わります。
淡色野菜を生で食べるよりも、食べやすくなることがあります。
サラダやスムージーで、淡色野菜を食べる
淡色野菜は、サラダやスムージーで食べると、栄養をそのまま取れる食事にできます。
サラダの場合は、生の状態で食べます。
スムージーの場合は、ミキサーやジューサーで処理して食べます。
そうすることで、野菜の栄養素を効果的に摂取できます。
食べ方を工夫して、淡色野菜を美味しく食べて、健康的な体を作りましょう。
健康維持のために、緑黄色野菜と淡色野菜の両方を食べましょう
近年まで、栄養素の多い野菜としては緑黄色野菜ばかりが、注目されてきました。
しかし、淡色野菜の健康への役割も、次々と発見されています。
緑黄色野菜と淡色野菜の両方をバランス良く取るのが、健康維持において良いと言えます。
緑黄色野菜と淡色野菜は、それぞれ異なる栄養素を含んでいるからです。
緑黄色野菜は、ビタミンAやカロテノイドなどの抗酸化物質を豊富に含みます。
抗酸化物質は、免疫力や目の健康に役立ちます。
淡色野菜は、ビタミンCや食物繊維などの水溶性栄養素を多く含みます。
そのような栄養素は、血圧や血糖値の調整、便秘の予防に効果的です。
また、両方の野菜には、カリウムやマグネシウムなどのミネラルも含まれています。
そのような栄養素は、体液のバランスや神経・筋肉の働きに必要です。
緑黄色野菜と淡色野菜、それぞれの栄養素を効率良く取りたいなら、やはり、まんべんなく様々な野菜を摂取する事が必要です。
実際に、両方の野菜を一緒に食べたら、相乗効果を期待できます。
例えば、ビタミンCはカロテノイドの吸収を促進するため、トマトやレモンなどの淡色野菜を添えることで、緑黄色野菜の栄養価を高めることができます。
少し実感した、緑黄色野菜と淡色野菜を食べたことによる健康維持
私は、緑黄色野菜と淡色野菜の両方を、バランス良く取ることが重要だと考えています。
それは、私自身が、その恩恵を少し実感しているからです。
私は以前、たぶん野菜不足のせいで、肌荒れや便秘に悩んでいました。
だけど、緑黄色野菜と淡色野菜を意識的に食べるようになってから、肌の調子が少し良くなりました。便通も、改善されました。
緑黄色野菜と淡色野菜を食べると、何となく体調が良いです。
なので私はこれからも、緑黄色野菜と淡色野菜の両方を、バランス良く取り入れていきたいと思っています。
これからも、栄養たっぷりの野菜を食べて、健康を維持したいと思います。