統合医療で重要な役割を果たす漢方

西洋医療を補う形で漢方が利用されている、と聞きました。
本当ですか?

近年では、西洋医学と漢方による統合医療が行なわれています。
統合医療において、漢方の役割は高まっています。

漢方と西洋医療を組み合わせることで、治療効果が高まることを期待されています。

統合医療で重要な役割を果たす漢方

漢方薬

近年、医療の現場では統合医療の導入が始まっています。

統合医療とは、西洋医療を助けるために代替医療を取り入れて、総合的な治療を行なう医療のことです。

統合医療で取り入れられている代替医療で、よく知られている医療は漢方です。

明治以降、衰退していった漢方

漢方とは、古代中国で始まった中国伝統の医学です。
もともと人が持っている自然治癒力を高めて、身体のバランスを整えることで体の不調を改善します。

日本では明治時代になるまでは、漢方などの伝統医療を中心として病気の治療が行なわれていました。

しかし明治以降になると、西洋医学が医療の中心となりました。
西洋医学が取り入れられてから、漢方は次第に衰退してゆきました。
公的な医学教育からも排除されました。

その後、漢方は医療とは別のものとして取り扱われて来ました。
多くの漢方の医師は、西洋医療の医師とは別の場で治療を行なって来ました。

近年、需要が高まってきた漢方

しかし近年になって、漢方の需要が高まりました。
医学部の講義に加えられるなど、漢方医学が再び医学教育の場に取り入れられるようになりました。

日本では、高齢化やメタボリックシンドロームが社会問題となっていることより、統合医療における漢方は、重要な役割を果たす医療とされています。
近年では癌の治療においても、西洋医学と漢方による統合医療が行なわれています。

実際に近年では、漢方治療を取り入れている大学病院や公立病院も増えてきています。

また、西洋医療と組み合わせて、効率良く治療を進め、効果を発揮している場合もあります。

漢方薬と現代薬の良い点を取り入れた治療

漢方薬と現代薬では、それぞれに一長一短があります。
それぞれの良い点を取り入れて治療しよう、という事例が見られます。

漢方治療は、経験の医学と言われています。
しかし漢方薬の作用について、科学的な研究も進められています。現代医学の面から、効果の裏づけが取れた漢方薬が増えてきています。

医師免許を持っていて漢方の知識もある、漢方専門医

漢方専門医
漢方専門医・イメージ画像

大学病院や公立病院では、西洋医学による治療を行なっています。
そのような大学病院や公立病院の中には、漢方薬による治療も取り入れている所があります。

しかし、もしも本格的な漢方治療を受けたい場合は、やはり漢方専門医が在籍している所にかかるほうが良いです。

一般的に漢方専門医とは、医師免許を持っていて漢方の知識もある医師のことを言います。

ただし今の日本では、漢方医や漢方科という名称を使う事を法律で認めていません(2008年当時、2022年当時)。
漢方専門医を探す場合、漢方薬のメーカーや医師団体に問い合わせてみましょう。

または、漢方が揃っている市場には、漢方医がいる医院があったりします。
その医院で実際に診察してもらい、漢方医が自分に合う漢方薬を調合してくれる、という事です。

漢方医院などがある、漢方薬が揃っている市場

漢方薬が揃っている市場とは、

  • 例えば漢方医院や漢方薬局、
  • それに漢方の輸出入業者など、

漢方に関する店が数多く並んでいる市場です。

そんな市場に行くと、有名な高麗人参や霊芝などを始め、見た事もない、よくわからない物も並べられています。
「漢方独特の匂い」が漂っている所と言えます。

ですがそんな場所だからこそ、様々な症状に対する漢方薬が売られています。

例えば

  • 美容効果が高い漢方や、
  • ダイエット、白髪に良いとされる漢方

まであります。

産地直送の物が多いそうなので、他の販売店よりも価格はお安いそうです。

漢方薬に対して処方数が限られている健康保険

全ての漢方薬に対して、健康保険は有効ではありません。

処方数は147種と限られています。
そして医師の処方箋がある場合に限って、保険診療が認められています(2008年当時)。

もしも漢方治療において保険診療を希望している人は、事前に診察を受ける医療機関に相談と確認をしましょう。
漢方治療で保険診療を行なっているかどうかについて、確認してから診察を受けましょう。